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- KimotoYukinori へ行く。
24: 2012-04-13 (金) 09:12:03 ykimoto | 25: 2012-04-14 (土) 00:42:14 ykimoto | ||
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- | *木本幸憲(Yuki-Nori KIMOTO) [#u248c680] | + | *木本幸憲(Yukinori KIMOTO) [#u248c680] |
- | **経歴 [#fec9859e] | + | *経歴 [#fec9859e] |
***学歴 [#xac43daf] | ***学歴 [#xac43daf] | ||
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- | **お知らせ [#l654fc42] | + | *お知らせ [#l654fc42] |
- | -&font(Blue){2012年''5月7日''から''7月31日''までフィリピンのルソン島に言語調査にいくため、メールでご連絡いただきましても返信することができません。ご迷惑をおかけいたしますが、何とぞよろしくお願いします。}; | + | -&font(Purple){2012年''5月7日''から''7月31日''までの約3ヶ月間、フィリピンに言語調査にいくため、メールでご連絡いただきましても返信することができません。ご迷惑をおかけいたしますが、何とぞよろしくお願いします。}; |
- | **研究内容 [#d03fabcb] | + | *研究内容 [#d03fabcb] |
- | キーワード:認知文法、英語学 (照応、可算性、定性を中心に)、言語類型論、格標示体系、属格標識、フィールド言語学・記述言語学(オーストロネシア語族)、Arta語、イロカノ語 | + | ''キーワード'':認知文法、英語学 (照応、可算性、定性を中心に)、言語類型論、格標示体系、属格標識、フィールド言語学(オーストロネシア語族)、Arta語、イロカノ語 |
言語は言語固有の統語的な能力によって駆動されているのではなく,より意味論的・談話・語用論的な側面や,一般的な認知能力からの創発的現象として捉え直していくべきであるとの立場から、言語の記述・説明に取り組んでいます(cf. Givon 1979, Du Bois 1987, Hopper 2003, Langacker 1987,1991)。 | 言語は言語固有の統語的な能力によって駆動されているのではなく,より意味論的・談話・語用論的な側面や,一般的な認知能力からの創発的現象として捉え直していくべきであるとの立場から、言語の記述・説明に取り組んでいます(cf. Givon 1979, Du Bois 1987, Hopper 2003, Langacker 1987,1991)。 | ||
- | 理論面としては、ラディカル構文文法(Croft 2001)の観点から、言語類型論で形態論・統語論をどのように扱うか、という問題に取り組んでいます。 | + | 理論面としては、認知文法、ラディカル構文文法(Croft 2001)の観点から、言語類型論で形態論・統語論をどのように扱うか、という問題に取り組んでいます。 |
- | 具体的な研究面としては、最近は特にフィールド言語学と言語類型論の立場から、フィリピン諸語の記述に取り組んでいます。調査する言語はArta語というオーストロネシア語族・マレー・ポリネシア語派・フィリピン諸語・山岳語群の言語です。オーストロネシア語族(かつてのマレー・ポリネシア語族)は北は台湾、ハワイから、南は東南アジア、東はイースター島、西はマダガスカル島まで広がる大語族です。その中で今回調査を行うArtaは、話者が25人程度しかいない、いわゆる危機言語です。まだこれからの段階ですが、自分が実際に村落に入り、モノリンガルで言語調査を行うことで、言語の様々な側面が見えてくるのではないかと思っています。特に音声・音韻・形態論・統語論・意味論・語用論・社会言語学的側面が総体として現れ出るわけですから、そのような有機的な存在としての言語の姿から、多くのことを学べるのではないかと思っています。 | + | 具体的な研究面としては、最近は特にフィールド言語学と言語類型論の立場から、フィリピン諸語の記述に取り組んでいます。調査する言語はArta語というオーストロネシア語族・マレー・ポリネシア語派・フィリピン諸語・山岳語群の言語です。オーストロネシア語族(かつてマレー・ポリネシア語族と呼ばれておりました)は北は台湾、ハワイから、南は東南アジア、東はイースター島、西はマダガスカル島まで広がる大語族です。その中で今回調査を行うArtaは、話者が25人程度しかいない言語です。この言語に関する記述もまだ音韻と語彙を中心としたL. Reid氏の論文があるのみです ([[Reid 1989:http://www2.hawaii.edu/~reid/Combined%20Files/A29.%201989.%20Arta%20Negrito.pdf]])。まだこれからの段階ですが、自分が実際に村落に入り、モノリンガルで言語調査を行うことで、言語の様々な側面が見えてくるのではないかと思っています。特に音声・音韻・形態論・統語論・意味論・語用論・社会言語学的側面が総体として現れ出るわけですから、そのような有機的な存在としての言語の姿から、多くのことを学べるのではないかと思っております。 |
- | Arta語をはじめとしたフィリピン諸語は、昔から注目されてきた言語でもあります。フォーカスと呼ばれる、ヴォイスと格システムに跨がるような現象があり、それは類型論研究者や理論言語学者によって「主語」の定義をめぐる議論においても盛んに取り上げられてきました(e.g. Schacter (1976) in Li and Thompson (eds) '''Subject and Topic''')。Langackerの認知文法においてもTrajectorと主語に関わる議論で必ず出てくるように、これを対格言語として扱うのか、能格言語として扱うのか、また能格・対格のどちらにも分けられないタイプとして扱うのか、まだ決着が付いていません。今回この言語を調査することで、そのような側面も自分なりに深く考察できたらよいと考えていますし、さらに危機言語で話者がもう限られた人数しかいないという点でも、記述することに大きな意味がある言語と言えます。 | + | Arta語をはじめとしたフィリピン諸語は、昔から注目されてきた言語でもあります。フォーカスと呼ばれる、ヴォイスと格システムに跨がるような現象があり、それは類型論研究者や理論言語学者によって「主語」の定義をめぐる議論においても盛んに取り上げられてきました(e.g. Schacter 1976)。フィリピンタイプの格の議論については、Langackerの認知文法においてもトラジェクターと主語に関わる議論で必ず出てくるように (Langacker 2008: 381)、これを対格言語として扱うのか、能格言語として扱うのか、また能格・対格のどちらにも分けられないタイプとして扱うのか、まだ決着が付いていません。今回この言語を調査することで、そのような側面も自分なりに深く考察できたらよいと考えていますし、さらに危機言語で話者がもう限られた人数しかいないという点でも、記述することに大きな意味がある言語ではないかと考えております。 |
- | **研究発表 [#udea7c1f] | + | ''参照文献'' (Langacker, Croft以外) |
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+ | Du Bois, John W. 1987. Discourse Basis of Ergativity. '''Language''' 63 (4). | ||
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+ | Givón, Talmy. 1979. '''On Understanding Grammar'''. Academic Press. | ||
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+ | Hopper, P. 1998. Emergent Grammar. In M. Tomasello (ed.), '''The New Psychology of Language.''' Mahwah, N.J.: Lawrence Erlbaum Associates Publishers. | ||
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+ | Schacter, Paul. 1976. The Subject of Philippine Languages: Topic, Actor, Topic-Actor, or None of These. In Li (ed) '''Subject and Topic'''. Academic Press. | ||
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+ | *研究発表 [#udea7c1f] | ||
''2012年''~ | ''2012年''~ | ||
-神澤克徳・木本幸憲. 「連辞・範列関係からみた連体修飾構文のネットワーク:転移修飾と縮約節を中心に」社会言語科学会 第29回大会. | -神澤克徳・木本幸憲. 「連辞・範列関係からみた連体修飾構文のネットワーク:転移修飾と縮約節を中心に」社会言語科学会 第29回大会. | ||
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-木本幸憲.「英語名詞句の可算性について-類と事例の別からの考察-」. 第35回関西言語学会(京都外国語大学),6月. | -木本幸憲.「英語名詞句の可算性について-類と事例の別からの考察-」. 第35回関西言語学会(京都外国語大学),6月. | ||
- | **研究論文 [#c79eb82a] | + | *研究論文 [#c79eb82a] |
''2012年''~ | ''2012年''~ | ||
-木本幸憲. (to appear) 「認知言語学からみた格標識の多機能性ー英語・日本語・アイヌ語の属格形式をめぐってー」野瀬昌彦(編)『対照言語学若手の会シンポジウム 2011発表論文集』 | -木本幸憲. (to appear) 「認知言語学からみた格標識の多機能性ー英語・日本語・アイヌ語の属格形式をめぐってー」野瀬昌彦(編)『対照言語学若手の会シンポジウム 2011発表論文集』 | ||
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- | **学位論文 [#j2f81189] | + | *学位論文 [#j2f81189] |
-木本幸憲. 2011. 『可算性・非可算性の諸相―認知言語学のアプローチ―』京都大学大学院 人間環境学研究科学位請求論文(修士) | -木本幸憲. 2011. 『可算性・非可算性の諸相―認知言語学のアプローチ―』京都大学大学院 人間環境学研究科学位請求論文(修士) | ||
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- | **連絡先 [#k8e9e12b] | + | *連絡先 [#k8e9e12b] |
kimoto-at-hi.h.kyoto-u.ac.jp~ | kimoto-at-hi.h.kyoto-u.ac.jp~ | ||
(-at-を@に変換してください。)~ | (-at-を@に変換してください。)~ |
- KimotoYukinori のバックアップ一覧
- KimotoYukinori のバックアップ差分(No. All)
- 1: 2010-02-21 (日) 14:39:57
- 2: 2010-04-27 (火) 22:36:39 ykimoto
- 3: 2010-06-28 (月) 11:40:03 ykimoto
- 4: 2010-07-03 (土) 14:21:34 ykimoto
- 5: 2010-07-04 (日) 14:05:09 ykimoto
- 6: 2011-04-03 (日) 03:30:46 ykimoto
- 7: 2011-04-10 (日) 14:30:09 ykimoto
- 8: 2011-04-20 (水) 12:26:34 ykimoto
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- 10: 2011-06-05 (日) 23:19:46 ykimoto
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- 24: 2012-04-13 (金) 09:12:03 ykimoto
- 25: 2012-04-14 (土) 00:42:14 ykimoto
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- 44: 2017-03-14 (火) 21:16:47 ykimoto
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