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28: 2012-05-03 (木) 09:01:50 ykimoto | 29: 2012-07-22 (日) 10:51:27 ykimoto | ||
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*木本幸憲 (Yukinori KIMOTO), M.A. [#u248c680] | *木本幸憲 (Yukinori KIMOTO), M.A. [#u248c680] | ||
- | -京都大学大学院, 人間・環境学研究科 (D2) (Graduate school of human and environmental studies, Kyoto University) | + | -京都大学大学院, 人間・環境学研究科 (D2) (Graduate student of human and environmental studies, Kyoto University) |
- | -Interests:cognitive linguistics (Langacker's Cognitive Grammar), English, Arta (Philippines), field linguistics, linguistic typology | + | -Interests:cognitive linguistics, field linguistics, linguistic typology, English, Arta (Philippines, Austronesian) |
-E-mail: kimoto[AT]hi.h.kyoto-u.ac.jp~ | -E-mail: kimoto[AT]hi.h.kyoto-u.ac.jp~ | ||
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''2011年4月~''(2014年3月,予定) 日本学術振興会 特別研究員DC1 | ''2011年4月~''(2014年3月,予定) 日本学術振興会 特別研究員DC1 | ||
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- | *お知らせ [#l654fc42] | ||
- | -&font(Purple){2012年''5月7日''から''7月31日''までの約3ヶ月間、フィリピンに言語調査にいくため、メールが使えません。ご迷惑をおかけいたしますが、何とぞよろしくお願いします。}; | ||
*研究内容 [#d03fabcb] | *研究内容 [#d03fabcb] | ||
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理論面としては、認知文法、ラディカル構文文法(Croft 2001)の観点から、言語類型論で形態論・統語論をどのように扱うか、という問題に取り組んでいます。 | 理論面としては、認知文法、ラディカル構文文法(Croft 2001)の観点から、言語類型論で形態論・統語論をどのように扱うか、という問題に取り組んでいます。 | ||
- | 具体的な研究面としては、最近は特にフィールド言語学と言語類型論の立場から、フィリピン諸語の記述に取り組んでいます。調査する言語はArta語というオーストロネシア語族・マレー・ポリネシア語派・フィリピン諸語・山岳語群の言語です。オーストロネシア語族(かつてマレー・ポリネシア語族と呼ばれておりました)は北は台湾、ハワイから、南は東南アジア、東はイースター島、西はマダガスカル島まで広がる大語族です。その中で今回調査を行うArtaは、話者が25人程度しかいない言語です。この言語に関する記述もまだ音韻と語彙を中心としたL. Reid氏の論文があるのみです ([[Reid 1989:http://www2.hawaii.edu/~reid/Combined%20Files/A29.%201989.%20Arta%20Negrito.pdf]])。まだこれからの段階ですが、自分が実際に村落に入り、モノリンガルで言語調査を行うことで、言語の様々な側面が見えてくるのではないかと思っています。特に音声・音韻・形態論・統語論・意味論・語用論・社会言語学的側面が総体として現れ出るわけですから、そのような有機的な存在としての言語の姿から、多くのことを学べるのではないかと思っております。 | + | 具体的な研究面としては、最近は特にフィールド言語学と言語類型論の立場から、フィリピン諸語の記述に取り組んでいます。調査する言語はArta語というオーストロネシア語族・マレー・ポリネシア語派・山岳語群 (Cordilleran) の言語です。オーストロネシア語族は北は台湾、ハワイから、南は東南アジア、東はイースター島、西はマダガスカル島まで広がる大語族です。その中で今回調査を行うArtaは、話者が25人程度しかいない言語です。この言語に関する記述もまだ音韻と語彙を中心としたL. Reid氏の論文があるのみです ([[Reid 1989:http://www2.hawaii.edu/~reid/Combined%20Files/A29.%201989.%20Arta%20Negrito.pdf]])。 |
- | フィリピン諸語は、昔から注目されてきた言語でもあります。フォーカスと呼ばれる、ヴォイスと格システムに跨がるような現象があり、それは類型論研究者や理論言語学者によって「主語」の定義をめぐる議論においても盛んに取り上げられてきました(e.g. Schacter 1976)。フィリピンタイプの格の議論については、Langackerの認知文法においてもトラジェクターと主語に関わる議論で必ず出てくるように (Langacker 2008: 381)、これを対格言語として扱うのか、能格言語として扱うのか、また能格・対格のどちらにも分けられないタイプとして扱うのか、まだ決着が付いていません。今回この言語を調査することで、そのような側面も自分なりに深く考察できたらよいと考えていますし、さらに危機言語で話者がもう限られた人数しかいないという点でも、記述することに大きな意味がある言語ではないかと考えております。 | + | フィリピン諸語は、昔から注目されてきた言語でもあります。フォーカスと呼ばれる、ヴォイスと格システムに跨がるような現象があり、それは類型論研究者や理論言語学者によって「主語」の定義をめぐる議論においても盛んに取り上げられてきました(e.g. Schacter 1976)。フィリピンタイプの格の議論については、Langackerの認知文法においてもトラジェクターと主語に関わる議論で必ず出てくるように (Langacker 2008: 381)、これを対格言語として扱うのか、能格言語として扱うのか、また能格・対格のどちらにも分けられないタイプとして扱うのか、議論の一致を見ていません。今回この言語を調査することで、そのような側面も自分なりに深く考察できたらよいと考えていますし、さらに危機言語で話者がもう限られた人数しかいないという点でも、記述することに大きな意味がある言語ではないかと考えております。 |
''参照文献'' (Langacker, Croft以外) | ''参照文献'' (Langacker, Croft以外) |
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