6: 2017-04-17 (Mon) 21:14:38 tinoue source 7: 2017-06-16 (Fri) 11:24:30 tinoue source
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''2016年3月'' 京都大学大学院 人間・環境学研究科 言語科学講座 修士課程 修了~ ''2016年3月'' 京都大学大学院 人間・環境学研究科 言語科学講座 修士課程 修了~
''2016年4月'' 京都大学大学院 人間・環境学研究科 言語科学講座 博士後期課程 入学~ ''2016年4月'' 京都大学大学院 人間・環境学研究科 言語科学講座 博士後期課程 入学~
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 +*職歴 [#b29c0f6e]
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 +''2014年4月~2016年9月'' 京都大学大学院 人間・環境学研究科 ティーチングアシスタント(TA)~
 +''2016年9月~現在'' 京都工芸繊維大学 基盤科学系 リサーチ・アシスタント(RA)~
*研究内容 [#b29c0f6e] *研究内容 [#b29c0f6e]
-''生態学的観点からの意味論・統語論研究''+**生態学的観点からの意味論・統語論研究 [#w3fd3131]
言語についてのモデル(言語観)は幾つかありますが,多くの言語学者は「言語は(思考のための)内的な表象である」あるいは「言語は参与者間の心(頭の中)にある意味や情報を伝達する道具である」という前提や,個人内での情報処理プロセスを(半ば暗黙のうちに)想定していると言えます. 言語についてのモデル(言語観)は幾つかありますが,多くの言語学者は「言語は(思考のための)内的な表象である」あるいは「言語は参与者間の心(頭の中)にある意味や情報を伝達する道具である」という前提や,個人内での情報処理プロセスを(半ば暗黙のうちに)想定していると言えます.
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一方で,Gibson(1979)の「アフォーダンス理論」から始まる生態心理学は,情報処理とはみなさず,情報や知識に対しての全く異なるアプローチであると言えます.そこでは「言語は,環境中の情報(生態学的な意味や価値)を特定し,共有するための手段である」(Reed 1996: 115)というモデルが提示されています. 一方で,Gibson(1979)の「アフォーダンス理論」から始まる生態心理学は,情報処理とはみなさず,情報や知識に対しての全く異なるアプローチであると言えます.そこでは「言語は,環境中の情報(生態学的な意味や価値)を特定し,共有するための手段である」(Reed 1996: 115)というモデルが提示されています.
-しかし,私は単純に「言語は話者の<見え>を直接反映している」とする心理主義・認知主義的立場でもなく,また「言語はアフォーダンスを直接指示する」とする因果論的立場でもなく,「言語はアフォーダンスを発見しやすくするために環境に施されたデザイン=シグニファイア(signifier, Norman 2010)である(井上 2016: 41)」という観点から,ベースとプロファイルなどの認知的際立ちに関する議論や参照点構造といった認知言語学における記述方法を取り入れつつも,その意味観をシフトさせ,言語行為によって示される生態学的意味(実用主義的な意味)を中心に据え,さらに語の使い分けや語順などといった形式(統語論的な側面)に関する生態学的な動機づけを考察していきたいと考えています.+しかし,私は単純に「言語は話者の<見え>を直接反映している」とする心理主義・認知主義的立場でもなく,また「言語はアフォーダンスを直接指示する」とする因果論的立場でもなく,「言語はアフォーダンスを発見しやすくするために環境に施されたデザイン=シグニファイア(signifier, Norman 2010)である(井上 2016: 41)」という観点から,ベースとプロファイルなどの認知的際立ちに関する議論や参照点構造(Langacker 1991, 1993)といった認知言語学における記述方法を取り入れつつも,その意味観をシフトさせ,言語行為によって示される生態学的意味(実用主義的な意味)を中心に据え,さらに語の使い分けや語順などといった形式(統語論的な側面)に関する生態学的な動機づけを考察していきたいと考えています.
2014年に提出した北海道方言に関する卒業論文では,「ラサル構文」が持つ意味を「被動作主(鉛筆,ボタン等)が持つアフォーダンスの知覚の共有」であるとし,その形式の動機付けについて「被動作主をより認知的に際立たせるために動作主が省略される」と説明しています. 2014年に提出した北海道方言に関する卒業論文では,「ラサル構文」が持つ意味を「被動作主(鉛筆,ボタン等)が持つアフォーダンスの知覚の共有」であるとし,その形式の動機付けについて「被動作主をより認知的に際立たせるために動作主が省略される」と説明しています.
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また,2016年に提出した修士論文では,アイヌ語において定表現(definite expression)であるとされる「場所表現」(中川 1984; 井筒2006等)について,特に場所名詞や地名がその土地のアフォーダンス知覚を特定させるための表現であり,その土地での行為可能性に基づく土地の利用可能性によって区別するという点で定表現(definite expression)となるということを論じました.この議論で得られた知見は,唯一無二でありかつ経験と分かちがたい場所の持つ「場所性(placeness, Relph 1977; Tuan 1979)」の議論や,オギュスタン・ベルクの「風土(milieu)」の議論とも整合するのではないかと考えています. また,2016年に提出した修士論文では,アイヌ語において定表現(definite expression)であるとされる「場所表現」(中川 1984; 井筒2006等)について,特に場所名詞や地名がその土地のアフォーダンス知覚を特定させるための表現であり,その土地での行為可能性に基づく土地の利用可能性によって区別するという点で定表現(definite expression)となるということを論じました.この議論で得られた知見は,唯一無二でありかつ経験と分かちがたい場所の持つ「場所性(placeness, Relph 1977; Tuan 1979)」の議論や,オギュスタン・ベルクの「風土(milieu)」の議論とも整合するのではないかと考えています.
-''アイヌ語の言語復興に貢献するための理論言語学的基盤の構築''+**アイヌ語の言語復興に貢献するための理論言語学的基盤の構築 [#w3fd3131]
言語復興に対して理論的な貢献は数多く行われていますが,単なる記述だけではなく,当該言語の創造性を復活させるにはどうすれば良いかという問題意識も必要となります.これは単に言語内理論のだけではなく,当該言語を用いるコミュニティの生活やそれを取り巻く環境も大いに関わってきます. 言語復興に対して理論的な貢献は数多く行われていますが,単なる記述だけではなく,当該言語の創造性を復活させるにはどうすれば良いかという問題意識も必要となります.これは単に言語内理論のだけではなく,当該言語を用いるコミュニティの生活やそれを取り巻く環境も大いに関わってきます.
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*発表、論文等 [#b29c0f6e] *発表、論文等 [#b29c0f6e]
-2014年9月 「北海道方言における「逆使役構文」に関する認知的考察」, 日本認知言語学会第 15回大会, 慶応義塾大学日吉キャンパス.~ +2014年9月 井上拓也.「北海道方言における「逆使役構文」に関する認知的考察」, 日本認知言語学会第 15回大会, 慶応義塾大学日吉キャンパス.~ 
-2015年5月 「北海道方言における「逆使役構文」に関する認知的考察」, 日本認知言語学会論文集, 第15巻.~ +2015年5月 井上拓也.「北海道方言における「逆使役構文」に関する認知的考察」, 日本認知言語学会論文集, 第15巻.~ 
-2016年12月 「アイヌ語の場所表現に関する記述的研究: 認知言語学的観点から」, 言語科学論集, 第22号: 1-23.~ +2016年12月 井上拓也.「アイヌ語の場所表現に関する記述的研究: 認知言語学的観点から」, 言語科学論集, 第22号: 1-23.~ 
-(発表予定)2017年6月 「アイヌ語の場所表現に見られる定性に関する考察---英語のweak definiteとの比較を通して---」, 関西言語学会第42回大会, 京都大学吉田南キャンパス.~ +2017年6月 井上拓也.「アイヌ語の場所表現に見られる定性に関する考察---英語のweak definiteとの比較を通して---」, 関西言語学会第42回大会, 京都大学吉田南キャンパス.~ 
-(発表予定)2017年6月 「アイヌ語沙流方言の場所表現における「場所名詞」に関する研究」, 日本言語学会第154回大会, 首都大学東京.~ +(発表予定)2017年6月 井上拓也.「アイヌ語沙流方言の場所表現における「場所名詞」に関する研究」, 日本言語学会第154回大会, 首都大学東京.~ 
-(発表予定)2017年7月 "“Place” in the Ainu language: a View from Reference Point Structure and Affordance Theory", the 14th International Cognitive Linguistics Conference, University of Tartu, Estonia.~+(発表予定)2017年7月 Inoue, Takuya. "“Place” in the Ainu language: a View from Reference Point Structure and Affordance Theory", the 14th International Cognitive Linguistics Conference, University of Tartu, Estonia.~ 
 +(発表予定)2017年9月 井上拓也, 神原一帆. 「生態学的な語彙意味論に向けて」, 日本認知科学会第34回大会, 金沢大学.~
*フォーラム、自主ゼミ等 [#b29c0f6e] *フォーラム、自主ゼミ等 [#b29c0f6e]
2013年10月17日 「北海道方言のラサル構文に関する認知言語学的考察―アフォーダンスの観点から―」~ 2013年10月17日 「北海道方言のラサル構文に関する認知言語学的考察―アフォーダンスの観点から―」~


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