認知言語学系研究室のイベント案内

10月17日 言語フォーラム

日時:10月17日(木)13:00~

場所:総合人間学部棟 1107号室

・第一発表

発表者:朝本美波(谷口研究室 M1)

タイトル:Kevin Ezra Moore. 2014. The Spatial Language of Time: Metaphor, Metonymy, and frame of reference. Amsterdam: John Benjamins.

キーワード:メタファー,メトニミー,時間メタファー,参照枠,身体的経験基盤

概要:表題の書籍の書評を行います.

10月10日 言語フォーラム

日時:10月10日(木)13:00~

場所:総合人間学部棟 1107号室

・第一発表

発表者:北原匠(谷口研究室 M1)

タイトル: Huang, Y. 2000. Anaphora: A Cross-linguistic Approach, Oxford: Oxford University Press.

キーワード: 照応、照応詞の分布、指示対象の特定、通言語的研究
概要:表題の書籍の書評を行う。

10月5日 京都言語学コロキアム

日時:10月5日(土)13:30~

場所:総合人間学部棟 1107号室

・第一発表

発表者:西本希呼(人間・環境学研究科 特定研究員)

タイトル:数詞のない言語を追い求めてーボリビア多民族国家より

キーワード:数の認識、言語調査、人工的数詞、心のものさし、南米インディアン言語

概要:数詞のない言語と記録されていたある言語を追い求めて、私は2019年2月にボリビア多民族国家のサンタクルス州を車で毎日何百キロも走り調査を行った。本発表では、調査の臨場的報告に加え、(1)人はなぜ数えるのか、(2) 数の認識に共通性はあるのか、(3) あなたの/私の心のものさしとは?の三点を考察する。

 

・第二発表

発表者:三野貴志(大阪大学 言語文化研究科)

タイトル:動詞comeを伴うthere構文の記述的研究

キーワード:存在のthere構文、主語名詞句、構文文法、(時間) メタファー

概要:There comeは、現在時制で用いられた場合 (there comes)、意味上の主語には時間表現が多く生起し、他のthere構文とは異なる独自の振る舞いを示す。本発表では、この表現 (There comes 時間表現構文) に関してその振る舞いを共時的観点から考察を行い、この構文独自の意味・機能を議論する。加えて、類型論的、通時的観点にも対象を広げ、動詞に課せられる制約と意味上の主語との関わりを検討する。また、There comes時間表現構文の通時的変遷のデータを元に、この表現を時間メタファーの枠組みで考察する。

9月12日 自主ゼミ

日時:9月12日(木)13:00~
場所:総合人間学部棟 1107号室

・第一発表
発表者:近大志(谷口研究室M2)
タイトル:語彙的縮小を用いた慣用表現の非典型的解釈の説明
キーワード:イディオム、カテゴリ化、アドホック概念形成、ダブルミーニング、プロトタイプ的意味
要旨:慣用表現 (イディオム、ことわざ、熟語) は慣習的に用いられる言語パタンを指し、比喩的意味を持ったものが多い.
発表者は、特定の文脈での使用もしくは、「文字通り(の)」等の生起を契機に慣用表現が非典型的意味として解釈される現象に関心を持っている.
現時点では、この現象の意味記述・解釈プロセスの説明にカテゴリの包摂関係を用いることが有効な道具立ての一つであると想定しており、i) 様々な解釈を同じ原理で説明できること ii) 解釈の違いを連続的に捉えることが可能であること の2点が、このアプローチを
採用する主な利点である.
この線に沿った説明法を具体化する目的で、本発表はカテゴリ化に関する研究、特に関連性理論のアドホック概念形成を概観し、上記の現象への応用を試みる.
アドホック概念形成 (i.e. 語彙的拡大/縮小) は、広義のカテゴリ化であると考えられ、比喩的言語の説明に用いた研究が多いからである.
具体的には、以下の事項について議論を行う予定である.

・メタファー表現(e.g. The lawyer is a shark)は字義→比喩の方向の語彙的拡大によって説明される (cf. Glucksberg 2001, Carston2002, Vega2007).
この説明を応用し、慣用表現の非典型的解釈のうち、字義的解釈 (e.g. 文字通りの爆弾発言/もち肌/死闘…) を比喩→字義の方向の (擬似的な) 語彙的縮小として捉える.

・慣用表現の強調的解釈 (e.g. 文字通りの地獄/天才/断崖絶壁…) を、性質の顕著性やプロトタイプ的意味の特定を動機とした語彙的縮小として捉える.

·慣用表現の字義的解釈を用いた実例を観察すると、ダブルミーニング (e.g. 「爆弾に関する発言かつ、他人を仰天させるようなもの」という意味で「爆弾発言」) を取ることが多い.特定の語彙的縮小のされ方とダブルミーニングの形成との有契性を主張する.

 

・第二発表
発表者:岡久太郎(谷口研究室D3)
タイトル:統語的曖昧性の韻律的区別と認知的負荷の関係性
キーワード:統語的曖昧性、韻律、ダウンステップ、ジェスチャー、認知的負荷
概要:統語的曖昧文の意味を区別する韻律的特徴の一つとしてダウンステップという現象が報告されている。本発表では、統語的曖昧文を読ませる課題において、以下の4つの条件において、一方の意味で発話を行わせた: (1) 発話のみに集中する、(2) 意味区別のためのジェスチャーを伴いながら発話、(3) 3つの単語を記憶させながら発話、(4) 無意味な手の動きを行いながら発話。これらの条件における韻律的特徴を比較することで、韻律的区別やジェスチャーが認知的にどのような位置付けのものであるかを考察する。

7月25日 言語フォーラム

日時:7月25日(木)13:00~

場所:総合人間学部棟 1107号室

・第一発表

発表者:佐藤嘉晃(谷口研究室 D1)

タイトル:From Manner to Temporal Uses: Historical Changes of the English Subordinator As
キーワード:historical linguistics, polysemy, diachronic semantic change, shift in focus, as
概要:(国際認知言語学会の発表練習です)The English subordinator as is known to be polysemous in Present-Day English (PDE) (e.g. manner, time, and cause). The general semantic continuity between the temporal and causal uses is already pointed out by Traugott and König (1991) through the diachronic semantic study of since, but that of the manner and temporal uses is not investigated in detail. Therefore, this paper, based on corpus research, clarifies their semantic continuity and reveals what factors engendered these different uses. Specifically, it is pointed out that there has existed an intermediate case since the OE period and the degree, in addition to some additional factors, plays a nontrivial role of this semantic change to which the two concurring events are construed as inextricably being integrated.

 

・第二発表

発表者:岡久太郎(谷口研究室 D3)

タイトル: 認知語用論に論理形式は必要か?

キーワード: 論理形式、関連性理論、ガーデンパス文、予想統語仮説、予想論理仮説

概要: 認知語用論の分野において大きな影響力を持つ関連性理論では、言語理解に関わる推論の「素材」として、論理形式 (logical form) を仮定している。論理形式は統語処理部門の出力として、またそれに後続する推論処理を行う中央系の入力として位置づけられている。このモデルにおいて、統語処理は推論とは本質的に異なるものとして仮定されている。しかし、ガーデンパス文に代表されるように、オンライン処理において統語処理が文脈の影響を受ける (=推論が関わる) 現象が古くから報告されており、これは、予想統語仮説と予想論理仮説という概念装置を用いて説明されていた。しかし、この説明は関連性理論の最初期におけるものであり、近年の認知科学的研究が示す多様な現象を全て説明することは難しい。そこで、本発表では、論理形式という概念そのものの存在を問い直し、認知科学的により妥当なモデルの構築を目指す。