認知言語学系研究室のイベント案内

11月8日 言語フォーラム

日時:11月8日(木)13:00~
場所:総合人間学部棟 1107号室
・第一発表
発表者:森 夏輝(谷口研究室 M1)
タイトル:Recanati, François. 2010. Truth-Conditional Pragmatics.
キーワード:文脈主義、真理条件的語用論、モジュレーション、語用論的関数
概要:表題の書籍の書評を行う。

 

・第二発表
発表者:春日 悠生 (谷口研究室 D1)
タイトル:「直後の行為を拘束する発話行為 — 終助詞ヨ・ネのふるまいの変化を例に —」
キーワード:行為拘束型発話行為 (commissive)、終助詞ヨ・ネ、直後の行為
概要:本発表では、日本語共通語の終助詞ヨ・ネを用いた特定の発話が、「(話し手や聞き手の)直後の行為を拘束する」ような発話行為となる際に、話し手や聞き手の知識状態と関連する形でそれらの終助詞のふるまいが変化する現象に注目する。また、日本語の命令文・依頼文における現象や、他の言語の現象においても、同じような発話行為の際に助詞などのふるまいが変化する例があることを指摘し、「(話し手や聞き手の)直後の行為を拘束する」タイプの発話行為が、他の発話行為とは独立した1つの行為類型として立てうることを示す。
※日本語用論学会における口頭発表の練習です。

11月1日 言語フォーラム

日時:11月1日(木)13:00~
場所:総合人間学部棟 1107号室
・第一発表
発表者:神原 一帆 (谷口研究室 D1)
タイトル:「事態名詞の意味:フレーム意味論の観点から」
キーワード:フレーム意味論,事態名詞,支持動詞
概要:フレーム意味論において事態名詞の意味は支持動詞との組み合わせが1つの語彙単位として認められる.本研究では「事態名詞はそれ自体がフレームを喚起し,支持動詞はそのフレームの部分をプロファイルする」という仮説を実例のデータをもとに検討する.

10月25日 言語フォーラム

日時:10月25日(木)13:00~
場所:総合人間学部棟 1107号室
・第一発表
発表者:酒井 啓史 (谷口研究室 M2)
タイトル:英語の動詞want + 補文の文法: コーパス調査に関する方針を考える
キーワード:want, 補文, コーパス, 構文, 文脈
概要:英語の動詞want+補文の振る舞いに関しては,先行研究で各々の研究者によって様々な容認性判断がなされている。want+TO-Comp. はほぼすべての先行研究で容認されている。一方,want+ING-Comp., want+THAT-Comp.は先行研究でも容認性が一致しているわけではない。本発表では,後者の形式の容認性の不一致は補文の意味の多義性と文脈によるものと考え,コーパスによって実証する際の方針と仮説を考えることを主眼とする。
※本発表は修論の主要部分をなすもので,皆さんから様々なアドバイスを頂けるとありがたいです。

・第二発表
発表者:佐藤 嘉晃 (谷口研究室 M2)
タイトル:参照点構造と従属接続詞as
キーワード:参照点構造、カテゴリー化、従属接続詞、as
概要:修論中間発表の改訂。参照点構造から従属接続詞asの多義的構造を導き出す事が可能であることを示す。

10月18日 自主ゼミ

日時:10月18日(木)13:00~
場所:総合人間学部棟 1107号室
・第一発表
発表者:近 大志 (谷口研 M1)
タイトル:Giora, Rachel. 2003 On Our Mind: Salience, Context and Figurative Language
キーワード:言語理解、処理モデル、修辞、字義通りの意味
概要:表題の書籍をレビューする.

京都言語学コロキアム 第15回年次大会(KLCAM 15)

京都言語学コロキアム (KLC: Kyoto Linguistics Colloquium) は,言語学,心理学,哲学,脳科学, 等の様々な学問的背景を持つ研究者の交流の場として 1983 年にスタートし,300 回に及ぶ研究会 を重ねてまいりました.2004 年からは 20 周年を記念して,毎年夏に京都言語学コロキアム年次大 会 (KLC Annual Meeting ⟨KLCAM [クルカム]⟩) を開催しております.本年度は下記のプログラム で京都言語学コロキアム第 15 回年次大会 (KLCAM 15) を開催する運びとなりましたので,ご案内 させていただきます.

 

発表は 1 件につき 80 分 (発表 45 分,質疑応答・ディスカッション 35 分) の予定です. 皆様お誘い合わせの上,多数のご参加をお待ちしております.

 

日時: 2018 年 9 月 29 日(土)13:00 ∼ 17:30 (会場受付 12:30 ∼)
会場: 京都大学吉田南キャンパス 総合人間学部棟 1102 号室

 

プログラム
開式の挨拶 (13:00–13:05)

第一発表 事象統合から見る英語使役移動構文の制約:状態変化動詞を伴う場合を中心として
発表: 貝森 有祐(東京大学)
時間: 13:05–14:25
司会: 岡久 太郎(京都大学)
キーワード: 使役移動構文、状態変化動詞、事象統合、単一経路制約
要旨: 状態変化動詞を伴う英語使役移動構文(例:The cook cracked the eggs into the glass)は単一節で状態変化(割れる)と位置変化(グラスに入る)を表す。そのため、「1つの節で表現できるのは1つの変化まで」という制約の反例として見なされ、他の使役移動構文には見られない制約が課されると考えられてきた。本発表では、事象統合の観点から状態変化動詞を伴う使役移動構文について検討し、事象統合の基本的性質からこの構文に課される諸制約を導くことが可能であることを論じる。

第二発表 知識駆動型言語処理 – 深層学習による進展とともに –
発表: 河原 大輔(京都大学)
時間: 14:35–15:55
司会: 金丸 敏幸(京都大学)
キーワード: 言語理解, 自然言語処理, 知識, 深層学習
要旨: 計算機による言語理解を実現するには、人間がもっているような常識的知識を計算機に与え、適切に利活用することが必要である。従来は、そのような常識的知識が計算機に欠けていたことが、言語理解の大きなボトルネックとなっていた。しかし、近年、ウェブを中心として、超大規模のテキスト集合が手に入るようになり、そこから知識を自動的に獲得できるようになったことにより、この状況が変わりつつある。また、ここ数年の深層学習の発展により様々な言語処理技術の性能が急速に向上している。本発表では、これらの研究を紹介するとともに、知識に基づく言語処理・理解の現在そして未来について議論する。

第三発表 直示動詞とその性質:通言語的実験研究から分かること
発表: 松本 曜(国立国語研究所)
時間: 16:05–17:25
司会: 谷口 一美(京都大学)
キーワード: 直示動詞、通言語的実験、話者領域、可視性、注視領域
要旨: 「来る」, come などの直示動詞は着点と話者の位置関係という視点から分析されてきた。しかし、その用法を詳細に見ていくと、移動物の位置と話者の位置関係という空間的な側面のみからは説明できない現象がある。たとえば、Matsumoto, Akita & Takahashi (2017) は、 「来る」系の動詞は、話者の位置への移動というよりも、話者とのインターアクションが可 能になる領域(話者領域)への移動という捉え方をした方が良いと述べている。この発表で は、そのような観点から NINJAL-Kobe project on motion event descriptions の B 実験の結果 を考察する。日本語(松本曜担当)、英語(松本曜担当)、中国語(夏海燕担当)、ハンガリー 語(江口清子担当)、ネワール語(松瀬育子担当)、クプサピニ語(河内一博担当)の結果か ら、「来る」「行く」系動詞を使用できる状況に言語間で違いがあり、その一部は話者領域を構成する要因の違いに求められることを論じる。

 

閉式の挨拶 (17:25–17:30)