日時:5月18日(木)13:00〜
場所:総合人間学部棟 1107号室およびZoom
(参加を希望される方はtaniguchi.info_at_gmail.com までご連絡下さい (_at_→@) )
タイトル:知覚動詞型分詞構文の分化に関する構文文法アプローチ
発表者:樫本 拳斗 (谷口研 M1)
キーワード:構文文法、分詞構文、知覚動詞、Figure-Ground、アスペクト、コーパス
概要:分詞構文が同時性を表す場合,一般的にはアスペクト的に幅がある事態はGroundとして分詞句へ,瞬間的なアスペクトをもつ事態はFigureとして主節で表されるとされており,早瀬 (2002:155) では分詞構文のFigure-Ground配置を決定する要因を「語彙レベル,つまり語彙アスペクトではなく,事態をどのように解釈したかという状況レベルでのアスペクトだ」と主張されている.この主張に対して,語彙や接辞の機能からだけでは説明できない事例を基に,特に分詞句に知覚動詞 (see, look, listen, hear) が生起する分詞構文の語彙的な制約とそれぞれの事態関係を考察していきながら,2つの事態をただつなぎ合わせただけでは導くことができない分詞構文の形式 [V-ing ... , NP VP...]が表す意味機能が分詞構文の分化の条件と関わっていることを主張する.
日時:5月11日(木)13:00〜
場所:総合人間学部棟 1107号室およびZoom
(参加を希望される方はtaniguchi.info_at_gmail.com までご連絡下さい (_at_→@) )
・第一発表
タイトル:コーパスに基づく好き嫌いを表す動詞に後続する不定詞及び動名詞の意味・用法に関する考察-動詞dislikeを事例として-
発表者:瀬戸口 彩花 (谷口研 M1)
キーワード:動名詞・不定詞、認知構造、大補文推移、コーパス
概要:ある動詞に不定詞又は動名詞補部が後続する場合についてその意味の違いに関する研究は多様に行われている一方で、いまだ日本人英語学習者の正しい使い分けにつながっていない(佐藤 2011)。本研究の目的は、学習初期段階から使用される好き嫌いを表す動詞(like, love, dislike, hate)に着目し、各動詞が補部として不定詞及び動名詞を選択する場合について、実際のコーパスデータを基に共時的・通時的観点から比較・分析を行い、(i) 動名詞・不定詞の用法や認知構造の違い、(ii) dislikeが動名詞と結びつきやすい理由について考察を行い、動名詞及び不定詞の構造を区別するような新たな1つの概念を模索するところにある。さらに、動名詞・不定詞の適切な使い分けを指導する上での指針・留意点についても示唆を与える。この目的のもと、発表者は (a) 文主語にとっての主体的事態と客体的事態、(b) 大補文推移の影響という2つの観点から考察を行う。
・第二発表
タイトル:二重目的語構文と同一の形式をもつ別の構文について-NP
X cost NP
Y NP
Zを対象に-
発表者:関 太壱 (谷口研 M1)
キーワード:構文文法、二重目的語構文、行為連鎖
概要:一般に、ある動詞に二つの目的語が後続する構文は二重目的語構文(SBJ VERB OBJ
1 OBJ
2)とされており、これら目的語の品詞は名詞である。そのため、詳しい議論がされぬまま、NP
X cost NP
Y NP
Zは二重目的語構文であるという前提のもとで多くの研究がなされてきた。
本研究の目的は、(i)果たして上述の前提が正しいのかを、NP
X cost NP
Y NP
Zと二重目的語構文の統語的・意味的制約の観点から批判的に検討し、これらは全く別の構文であると想定することの妥当性を主張し、(ii)この構文の多義とその意味拡張を行為連鎖の観点から考察するところにある。