投稿者 ‘永井 宥之’ のアーカイブ
認知言語学系研究室のイベント案内

9月7日 自主ゼミ

日時:9月7日(木)13:00-
場所:総合人間学部棟1107号室

・第一発表
発表者:井上拓也(谷口研D2)・神原一帆(谷口研M2)
タイトル:生態学的な語彙意味論に向けて
キーワード:コーパス分析、生態心理学、語彙意味論、上下関係
備考:生態学的な視点においては,ある語彙を使用は,それが使用される言語コミュニティー内において適応的な価値を反映していると言える.本研究は,Gries (2010)による挙動分析 (behavioral profile) をベースに,上下関係 (hyponymy) にあるとされる語彙の分析,考察を行うことで,言語研究に生態学的な視点を導入することの意義,すなわち現象の説明妥当性を示す.

・第二発表
発表者:井上優大(谷口研M2)・佐藤雅也(谷口研M2)
タイトル:日本語における焦点構造と項の省略可能性
キーワード:情報構造、焦点、新情報・旧情報、省略
備考:本研究では、日本語の文における述語の項の省略に関して、その項が省略可能か否かを決める要因として、情報構造における焦点(Lambrecht 1994) が関わっているということを論じる。従来の研究においては、旧情報にあたるものが省略され、新情報は省略されないというように、省略は情報の新旧と関連付けられて論じられてきた。本研究は、その項が旧情報であっても談話における焦点である場合には省略されないことから、省略されるか否かに第一に関係するのはその要素が焦点であるかどうかであり、情報の新旧はあくまで二次的な要因であるということを実験を通して示したものである。

8月31日 自主ゼミ

日時:8月31日(木)13:00-
場所:総合人間学部棟1107号室

・第一発表
発表者:酒井啓史(谷口研M1)
タイトル: 英語の動詞teachに関する一考察
キーワード: teach,百科事典的知識,構文
備考:
  英語の動詞teachが構文形X teach Y Z / Z to Y,X’s experience teach Y Z / Z to Y (X=人,Y=人,Z=無生物) 使われたとき,XとYの人称が一致している場合と一致していない場合では,母語話者はともに適格で,両者に容認性で違いはないと判断する。一方コーパスを調べてみると,それぞれの場合では,頻度差に大きな開きがみられ,母語話者の実際の言語使用が異なるということがわかる。
  本稿では,構文形X teach Y Z / Z to Y,X’s experience teach Y Z / Z to Y (X=人,Y=人,Z=無生物) のXとYの人称が一致したとき,あるいは一致していないときで母語話者の言語使用が異なることを示し,その由来が我々の日常経験や常識 (いわゆる百科事典的知識) によるものであると主張する。

・第二発表
発表者:佐藤嘉晃(谷口研M1)
タイトル:スキーマから見るasの意味論ー接続詞asを中心にー
キーワード:プロトタイプ、スキーマ、プロファイル、動詞、類似性
備考:asの多義性を接続詞asにその焦点を絞り、asのスキーマとLangacker(1987)の品詞観をもとにasの多義性の有機的かつ一貫的説明を試みる。
(9月に行われる日本認知言語学会のポスター発表の練習です)

8月27日 京都言語学コロキアム年次大会 (KLCAM)

【京都言語学コロキアム 第14回年次大会(共催:京都大学大学院人間・環境学研究科 学際教育研究部)】
日時: 2017年 8月27日(日)13:00~17:30 (会場受付 12:30~)
会場: 京都大学吉田キャンパス 総合人間学部棟 1102号室

1. 守田貴弘(京都大学) 司会:谷口一美(京都大学)
タイトル:ダイクシス研究から考える「捉え方」の問題
キーワード:ダイクシス,類型論,捉え方,主観的/客観的事態把握
要旨:認知言語学において展開されている「意味は概念化であり,捉え方だ」「言語形式には認知が反映されている」という考え方を字義通りに解釈するならば,対照言語学的・類型論的研究は強烈な相対論に陥ってしまうことが避けられない.本発表では,移動表現研究におけるダイクシスに焦点をあて,「話者による捉え方」としか言いようのない意味がどのようなものかという例を示し,「捉え方」や「概念化」によって説明すべき意味的問題は非常に限定的であるという提案を行う.

2. 荒牧英治(奈良先端科学技術大学院大学) 司会:伊藤薫(奈良先端科学技術大学院大学 研究員)
タイトル:ビッグデータが明かにする新たな言語統計とその応用
キーワード:ソーシャルメディア,自然言語処理,ビッグデータ,医療応用
要旨:かつてない巨大なテキストデータが利用可能になりつつある.単に量が多いというわけではない.使用者に紐付いていたり,位置情報と紐付いていたり,言語知能指数や脳画像,疾患などと紐付いたデータなど,さまざまな情報が付与されたテキストデータが同時多発的に開発されつつある.遠くない将来,これらを利用した新たな言語応用研究が開花するであろう.本発表では,認知症,感染症,副作用といった医療応用事例をベースに言語がどのように実社会応用されつつあるのかを概観し,今後の研究の可能性を議論する.

3. 西光義弘(神戸大学名誉教授) 司会:深田智(京都工芸繊維大学)
タイトル:注意配分システムとしての格表示
キーワード:格文法、構文交替、注意心理学、日英対照
要旨:本発表ではFillmoreの格文法の提案は根本的に間違っていたことを証明する。格文法の仮説は深層格を構文交替に基づいて同定し、目的語と主語は表層で現れるとした。その後この仮説は生成文法の中でθ理論と格理論として確定された。この様によく似たものが2つ存在するということは体系の経済性から言っても不自然である。本発表では目的語は行動において最も注意を集中する対象を表わし、英語のfor句は今目の前の行動の前あるいは後、または並行して起こる行動に対する周辺的な注意を表わしていることを受益者格を表わさない実例に基づいて観察する。With句については目の前の行動の直前から準備された継続的周辺注意を表わしているという仮説を同具格を表わさない実例に基づいて提出する。さらに日本語は何故英語と比べて「起点のヲ」、「経路のヲ」「状況のヲ」に見られるように幅広い目的語をとるのかということを日本人の注意の作戦から説明する。その結果、構文交替という余剰な現象がなぜ存在するかも説明される。

※ KLCAM終了後、カンフォーラ(京大吉田キャンパス本部構内)にて懇親会を予定しております。参加費は学生3000円、非学生4000円です。お時間に余裕のある方は、是非ご参加ください。

7月13日 言語フォーラム

日時:7月13日(木)13:00~
場所:総合人間学部棟 1107号室
・第一発表
発表者:西村 綾夏(谷口研D1)・黒田 一平(龍谷大学/京都ノートルダム女子大学 非常勤講師)
タイトル:書き言葉の感情表現 —インターネットスラングに見られる「笑い」—
キーワード:「笑う」という行為には、ユーモラスな事態に対する反応だけでなく、対人関係の調節を目的としたものも存在する(e.g. 会話のチャンネルをつなぐための「笑い」)。話し言葉においては「笑い」は基本的に自発的・非意図的な行為であるが、書き言葉においてはどちらの種類の「笑い」も選択的・意図的に表される。そこで本研究では「2ちゃんねる」や「LINE」などの近年のネット上でみられる「笑い」を表す表現を採取し、会話分析の観点から話し言葉の「笑い」を分析した早川(2000)の分類との対比を試みる。さらに、それぞれの「笑い」を『発話事態モデル』(岡本 2010)におけるどの側面に焦点を当てたものかという観点から考察する。

6月29日 言語フォーラム

日時:6月29日(木)13:00~
場所:総合人間学部棟 1107号室
・第一発表
発表者: 岡久 太郎 (谷口研D2)
タイトル: Multimodal constructions that are easy to use, difficult to understand
キーワード: multimodal construction, gesture, disambiguation, syntactic ambiguity
備考: 7月に行われる国際認知言語学会 (ICLC) の練習です。発表、議論は全て英語で行います。
・第二発表
発表者:井上 拓也(谷口研D2)
タイトル:“Place” in the Ainu language: a View from Reference Point Structure and Affordance
キーワード:Affordance theory, Ainu language, place name, reference point structure, spatial expressions
備考:7月に行われる国際認知言語学会 (ICLC) の練習(ポスター発表)です。発表、議論は全て英語で行います。