日時:11月16日(木)15:00〜
場所:総合人間学部棟 1107号室およびZoom
(参加を希望される方はtaniguchi.info_at_gmail.com までご連絡下さい (_at_→@) )
・第一発表
タイトル:反復表現が持つ機能の検討
発表者:藤原 望織 (谷口研 M2)
キーワード:述語反復表現、カテゴリー、スケール
概要:「XといえばX」「XことはX」のような反復表現は、全体で一つの述語をなし、指示対象に対する話し手/書き手の判断・評価を表す。本研究ではこれらを述語反復表現とよび、その機能を明らかにすることを目的として以下の問いを扱う。 (ⅰ) 既存の研究で指摘される「XといえばX」「XことはX」の用法差は人びとの言語感覚と合致するか。 (ⅱ) これまで扱われなかった「XっちゃX」はどのような機能を持つか。 (ⅲ) 反復表現の含意する「程度の低さ」はキャンセル可能か。本発表はこれらの問題提起のもと実施したアンケートの回答分析を主とする。
・第二発表
タイトル:プロ野球の新聞見出しにみられる創造的な言語使用
発表者:新治 柚季 (谷口研 M2)
キーワード:概念メタファー、ブレンディング理論、news headline、novel metaphor、コンテクスト
概要:本研究では、プロ野球(NPB)の新聞見出しにみられる表現の創造性を分析する。たとえば「獅子、ハムがぶり」のような事例は、「獅子」がプロ野球チームの「埼玉西武ライオンズ」、「ハム」が「北海道日本ハムファイターズ」を指しており、前者の後者に「勝つ」ことが「食べる」という概念メタファー(VICTORY IS EATING)を通じて表現されている。一方で「猛牛、タカ打ち落とす」の用例は、単に前者が後者に「勝つ(負かす)」ことが方向性の概念メタファー(CONTROL IS UPなど)に支えられて「打ち落とす」となっているだけでなく、その勝利方法が長「打」攻勢によるものだという「文脈」もまた含意されているのだ。研究の目的はこれらの例をブレンディング理論(Fauconnier and Turner 2002)を用いて分析するとともに、Kövecses (2020) に基づいて「文脈」の影響を捉えることにある。
日時:10月26日(木)15:00〜
場所:総合人間学部棟 1107号室およびZoom
(参加を希望される方はtaniguchi.info_at_gmail.com までご連絡下さい (_at_→@) )
書評:Åshild Næss. 2007. Prototypical Transitivity. John Benjamins Publishing Company.
発表者:白石 暖哉 (谷口研 M1)
概要:上記の書籍をレビューする。
日時:10月19日(木)15:00〜
場所:総合人間学部棟 1107号室およびZoom
(参加を希望される方はtaniguchi.info_at_gmail.com までご連絡下さい (_at_→@) )
書評:Traugott, Elizabeth Closs, and Trousdale, Graeme. 2013. Constrctionalization and Constructional Change. Oxford University Press.
発表者:瀬戸口 彩花 (谷口研 M1)
概要:上記の書籍をレビューする。
日時:10月12日(木)13:00〜
場所:総合人間学部棟 1107号室およびZoom
(参加を希望される方はtaniguchi.info_at_gmail.com までご連絡下さい (_at_→@) )
書評: Holger Diessel. 2019. The Grammar Network: How Linguistic Structure is Shaped by Language Use. Cambridge University Press.
発表者:関 太壱 (谷口研 M1)
概要:上記の書籍をレビューする。
日時:9月30日(土)13:30〜16:00
場所:総合人間学部棟 1107号室およびZoom
(参加を希望される方はtaniguchi.info_at_gmail.com までご連絡下さい (_at_→@) )
タイトル:アルタ語(フィリピン)の文法的特徴:機能類型論的観点から
発表者:木本幸憲(兵庫県立大学)
キーワード:語順、ヴォイスと能格性、存在文と所有文、名詞派生動詞、注意の調整と指示詞、言語と文化
概要:発表者は2012年よりフィリピンのルソン島でアルタ語(Arta, ISO-639: atz)の言語調査を行ってきた。本発表では、その言語に見られる特徴的な文法現象を、できる限り類型論の前提知識を必要としない形で説明する。特に取り上げるポイントは、
(i) 語順的特徴として、VSO語順を取ること
(ii) 格標示としては、能格・絶対格体系を示すが、フィリピンの言語のヴォイス体系が複雑であること
(iii) 動詞は名詞を派生させて作ることも頻繁に行われ、元の名詞の意味からは予測の付かない意味になることがあること、
(iv) 存在文と所有文が同一の形式で表されること
(v) 指示詞は3対立体系で、すでに注意が向けられているかどうかによって指示詞の選択が変動すること
などを主な特徴として取り上げる。