カテゴリー ‘KLC’ のアーカイブ
認知言語学系研究室のイベント案内

9月26日 京都言語コロキアム (KLC)

・日時: 9/26(土) 13:00~

・発表者:大谷直輝 (東京外国語大学)

・タイトル:better off構文の特徴とその定着過程の考察

・要旨: 本発表では、現代英語に見られるbetter off構文(e.g. I’d be better off dead; You’d be better off going home)が歴史の中で出現し定着する過程を、Corpus of Historical American English(COHA)を用いて考察する。

 

前回に引き続き、今回のKLCもZoomで実施します。

参加を希望される方はミーティングIDをお知らせしますので、当日までに連絡をお願い致します。

7月25日 京都言語コロキアム (KLC)

日時: 7/25(土) 13:00~
発表者:小松原哲太(神戸大学)
タイトル:文法の修辞的用法としての直喩—換喩的推論をトリガーする X as if Y 構文の機能—
キーワード:直喩、換喩、構文、レトリック
要旨:
本発表では、直喩 (simile) が、必ずしも隠喩 (metaphor) からの二次的な派生表現ではないことを論じる。この発表では、直喩を、文法的構文の修辞的用法と考える立場 (Dancygier and Sweetser 2014) をとり、X as if Y 構文の修辞的な用例に注目することで、このXとYが隠喩的な関係だけでなく、換喩的な関係となる事例が広く存在することを示し、構文の意味が修辞的理解に寄与する可能性について考察する。
  • 前回に引き続き,今回のKLCもZoomで実施します。参加を希望される方はミーティングIDをお知らせしますので、当日までに連絡をお願い致します。

1月26日 言語コロキアム

日時:1月26日(土)13:30~
場所:総合人間学部棟 1107号室
・第一発表
発表者:北 雄介(京都大学デザイン学リーディング大学院)
タイトル:街歩きと都市の様相-空間情報付言語データと向き合う-
キーワード:様相、経路、時間、空間、人間
概要:我々は普段街を歩いているとき、どんなことを、どのようにして感じているのだろうか。本研究は、我々の街歩き体験を総合的に読み解く試みである。そのために被験者に実際に街を歩いてもらい、感じたこをを用紙に自由に記してもらうという一つの実験を行なった。そこで得られたのは、実際の都市空間という極めて豊穣なコンテクストをもつ「空間情報付言語データ」である。このデータを定量的・定性的に分析することで、街の雰囲気の在り方や、我々がそれを感じとるメカニズムに迫ることができた。発表者は普段、建築・都市や認知科学の分野での発表を続けている。今回は認知言語学の文脈のもと、特に空間情報付言語データのもつポテンシャルや、そのデータ取得・分析の方法論などにフォーカスして議論をしたいと考えている。

 

・第二発表
発表者:三阪日向(関西学院大学 文学研究科 博士課程前期)
タイトル:明暗を表すドイツ語の形容詞のメタファー拡張
キーワード:ドイツ語、明暗、メタファー拡張
概要:「明るい・暗い」のような視覚に関わる形容詞は、実際の視覚情報に関する描写だけではなく、場合によっては比喩的に用いられることもある。本発表では、ドイツ語の形容詞hell(明るい)とdunkel(暗い)を対象とし、それらが感情や知性の意味をはじめとするメタファー表現へと拡張するケースがあることをコーパスデータに基づいて指摘する。また、両形容詞のメタファー拡張に非対称性があることも指摘し、さらにその非対称性が何に起因するかを解明する。

11月24日 言語コロキアム

日時:11月24日(土)13:00~
場所:総合人間学部棟 1107号室
・第一発表
発表者:中嶌 浩貴(三重大学)
タイトル:英語名詞転換動詞における意味と百科事典的知識:植物名詞の事例研究
キーワード:COCA、英語植物名詞、フレーム意味論、名詞転換動詞
概要:本発表では、英語における名詞転換動詞の意味と百科事典的知識の関係を探る。事例研究として、植物を表す名詞より転換された動詞(植物動詞)を取り上げる。本研究の内容は次の2つにまとめられる。(i)アメリカ英語コーパスCOCAより得られたデータの詳細な観察を通して、英語植物動詞の詳細な意味記述を行う。またこれに基づき、植物動詞の意味理解に関与する百科事典的知識の特徴づけを行う。(ii)フレーム意味論の枠組みから、個別のフレームを考慮することによって、植物動詞の意味が適切に説明できることを示し、先行研究に対してフレーム意味論的アプローチの有効性を論じる。

・第二発表
発表者:河野 亘(京都大学)
タイトル:情報源と情報獲得の概念化:have it (PP) that 構文を事例として
キーワード:have 構文, 構文化, 補文化, エビデンシャリティ
概要:本発表では、英語 have it (PP) that 構文の分析から、英語には情報源を表す方略 (evidential strategy)
として2種類の have 構文の下位構文が存在することを示す。本発表で扱う構文は定形節補文を伴う have
構文であり、イディオム的な特徴を持つ。本研究では通時的分析に基づき、当該構文では他構文からの類推やプロファイルシフトによってプロトタイプ的な
have 構文からの漸進的な構文化が進み、その過程で情報源のスキーマが発達し、現代英語の姿となったことを明らかにする。

京都言語学コロキアム 第15回年次大会(KLCAM 15)

京都言語学コロキアム (KLC: Kyoto Linguistics Colloquium) は,言語学,心理学,哲学,脳科学, 等の様々な学問的背景を持つ研究者の交流の場として 1983 年にスタートし,300 回に及ぶ研究会 を重ねてまいりました.2004 年からは 20 周年を記念して,毎年夏に京都言語学コロキアム年次大 会 (KLC Annual Meeting ⟨KLCAM [クルカム]⟩) を開催しております.本年度は下記のプログラム で京都言語学コロキアム第 15 回年次大会 (KLCAM 15) を開催する運びとなりましたので,ご案内 させていただきます.

 

発表は 1 件につき 80 分 (発表 45 分,質疑応答・ディスカッション 35 分) の予定です. 皆様お誘い合わせの上,多数のご参加をお待ちしております.

 

日時: 2018 年 9 月 29 日(土)13:00 ∼ 17:30 (会場受付 12:30 ∼)
会場: 京都大学吉田南キャンパス 総合人間学部棟 1102 号室

 

プログラム
開式の挨拶 (13:00–13:05)

第一発表 事象統合から見る英語使役移動構文の制約:状態変化動詞を伴う場合を中心として
発表: 貝森 有祐(東京大学)
時間: 13:05–14:25
司会: 岡久 太郎(京都大学)
キーワード: 使役移動構文、状態変化動詞、事象統合、単一経路制約
要旨: 状態変化動詞を伴う英語使役移動構文(例:The cook cracked the eggs into the glass)は単一節で状態変化(割れる)と位置変化(グラスに入る)を表す。そのため、「1つの節で表現できるのは1つの変化まで」という制約の反例として見なされ、他の使役移動構文には見られない制約が課されると考えられてきた。本発表では、事象統合の観点から状態変化動詞を伴う使役移動構文について検討し、事象統合の基本的性質からこの構文に課される諸制約を導くことが可能であることを論じる。

第二発表 知識駆動型言語処理 – 深層学習による進展とともに –
発表: 河原 大輔(京都大学)
時間: 14:35–15:55
司会: 金丸 敏幸(京都大学)
キーワード: 言語理解, 自然言語処理, 知識, 深層学習
要旨: 計算機による言語理解を実現するには、人間がもっているような常識的知識を計算機に与え、適切に利活用することが必要である。従来は、そのような常識的知識が計算機に欠けていたことが、言語理解の大きなボトルネックとなっていた。しかし、近年、ウェブを中心として、超大規模のテキスト集合が手に入るようになり、そこから知識を自動的に獲得できるようになったことにより、この状況が変わりつつある。また、ここ数年の深層学習の発展により様々な言語処理技術の性能が急速に向上している。本発表では、これらの研究を紹介するとともに、知識に基づく言語処理・理解の現在そして未来について議論する。

第三発表 直示動詞とその性質:通言語的実験研究から分かること
発表: 松本 曜(国立国語研究所)
時間: 16:05–17:25
司会: 谷口 一美(京都大学)
キーワード: 直示動詞、通言語的実験、話者領域、可視性、注視領域
要旨: 「来る」, come などの直示動詞は着点と話者の位置関係という視点から分析されてきた。しかし、その用法を詳細に見ていくと、移動物の位置と話者の位置関係という空間的な側面のみからは説明できない現象がある。たとえば、Matsumoto, Akita & Takahashi (2017) は、 「来る」系の動詞は、話者の位置への移動というよりも、話者とのインターアクションが可 能になる領域(話者領域)への移動という捉え方をした方が良いと述べている。この発表で は、そのような観点から NINJAL-Kobe project on motion event descriptions の B 実験の結果 を考察する。日本語(松本曜担当)、英語(松本曜担当)、中国語(夏海燕担当)、ハンガリー 語(江口清子担当)、ネワール語(松瀬育子担当)、クプサピニ語(河内一博担当)の結果か ら、「来る」「行く」系動詞を使用できる状況に言語間で違いがあり、その一部は話者領域を構成する要因の違いに求められることを論じる。

 

閉式の挨拶 (17:25–17:30)