- 日時:2月28日(土)13:30〜
- 場所:総合人間学部棟 1107号室
- 第一発表
- 発表者:岩崎 永一(早稲田大学非常勤講師/早稲田大学産業経営研究所招聘研究員)
- タイトル:「個数」をめぐる定冠詞・疑似分裂文・コピュラ文の意味論:
「変項の個数」と「変項の値の個数」の組み合わせが決める意味と統語位置 - キーワード:変項名詞句、個数、曖昧性(ambiguity)、数機能
- 備考:英語定冠詞、指定的疑似分裂文(What B is is A)と倒置コピュラ文(B is A)について議論します。特に倒置コピュラ文において、変項名詞句を形成する名詞句Bが、命題函数の「変項の個数」と「変項の値の個数」の組み合わせによって、定性の意味が決定され、そして、その統語位置が決定される、という主張を提案します。また、Bが定冠詞だけでなく、不定冠詞を伴う場合(den Dikken 2006)や複数形名詞の場合も扱います。さらに、命題函数の意味を持つ変項名詞句(西山2003)という抽象度の高い概念と指示・非指示という発話のコンテクストに即した概念を同列に扱うことがどこまで妥当であるのか、という問題や変項名詞句は西山(ibid.)が主張するように非指示的なのか(その定義上だけでなく実際の文例の中で常に非指示的解釈を持つのか)という問題等も議論致し、皆様のアドバイスを仰げれば幸いです。
- 第二発表
- 発表者:野中 大輔(東京大学大学院)
- タイトル:コーパスデータから見る英語の場所格交替: 動詞loadを例として
- キーワード:場所格交替、コーパスデータ、構文文法
- 備考:英語のloadやsprayといった動詞は、ほぼ同一の内容を二通りの構文で表現することができる(移動物目的語構文John loaded hay on the wagonと場所目的語構文John loaded the wagon with hay)。この現象は場所格交替と呼ばれている。本発表では、事例として動詞loadを取り上げ、British National Corpus(BNC)のデータをもとに二つの構文がどのように使い分けられているかを考察する。