- 第一発表
- 発表者:神澤 克徳(京都工芸繊維大学)
- タイトル:形容詞による連体修飾の認知言語学的考察ー非典型例を中心として
- キーワード:形容詞、連体修飾、非典型例、修辞性
- 備考:形容詞による連体修飾では、名詞が表す事物の性質や状態を形容詞が修飾する、という一見単純な意味関係が見られると思われがちだが、実際の例を観察してみると、一筋縄ではいかないことが分かる。今回の発表では、非典型例を中心として、形容詞と名詞に見られる意味関係のパターンを整理する。また、いくつかの例では修辞性が感じられるものががあるが、そういった表現に見られる特徴を検討し、生成や解釈のメカニズムを解明するための示唆を提供する。
- 第二発表
- 発表者:梶丸 岳(京都市立芸術大学)
- タイトル:色恋の掛唄はなぜ色恋だとわかるか
- キーワード:掛唄、話題(トピック)、相互行為、計量テキスト分析
- 備考:掛唄は秋田県で歌われている掛け合い歌である。この唄は民謡の旋律に完全に即興で歌詞をつけて歌を交わす点に特徴があり、その内容は多岐にわたっている。所属先の紀要論文として、21年分約2900首の書き起こし資料を対象に、掛唄の話題(トピック)を KH Coder(樋口 2014)を用いて定量的手法によって抽出する試みを行ったものを1月に投稿したが、そこでほとんど抽出することが出来なかったトピックが「色恋」的な内容であった。このトピックは実際には男性と女性の掛け合いになった際かなり高い確率で見られるのだが、抽出語の出現頻度や共起関係の分析からこのトピックをあぶりだすことは難しかった。
そこで本発表では、やや微妙なものも含めて網羅的にこの話題に含まれそうな事例を取り上げ、個別に観察を行うことで、なぜ色恋的な掛け合いがそうであると主観的には判別できるのか(そして抽出語のみに注目した分析では判別できなかったのか)、キーワードや掛け合いのスタイルに注目して考えてみたい。おそらく内容はかなり予備的なものとなるだろうが、皆様からのさまざまな示唆をいただければ幸いである。
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