認知言語学系研究室のイベント案内

9月12日 自主ゼミ

日時:9月12日(木)13:00~
場所:総合人間学部棟 1107号室

・第一発表
発表者:近大志(谷口研究室M2)
タイトル:語彙的縮小を用いた慣用表現の非典型的解釈の説明
キーワード:イディオム、カテゴリ化、アドホック概念形成、ダブルミーニング、プロトタイプ的意味
要旨:慣用表現 (イディオム、ことわざ、熟語) は慣習的に用いられる言語パタンを指し、比喩的意味を持ったものが多い.
発表者は、特定の文脈での使用もしくは、「文字通り(の)」等の生起を契機に慣用表現が非典型的意味として解釈される現象に関心を持っている.
現時点では、この現象の意味記述・解釈プロセスの説明にカテゴリの包摂関係を用いることが有効な道具立ての一つであると想定しており、i) 様々な解釈を同じ原理で説明できること ii) 解釈の違いを連続的に捉えることが可能であること の2点が、このアプローチを
採用する主な利点である.
この線に沿った説明法を具体化する目的で、本発表はカテゴリ化に関する研究、特に関連性理論のアドホック概念形成を概観し、上記の現象への応用を試みる.
アドホック概念形成 (i.e. 語彙的拡大/縮小) は、広義のカテゴリ化であると考えられ、比喩的言語の説明に用いた研究が多いからである.
具体的には、以下の事項について議論を行う予定である.

・メタファー表現(e.g. The lawyer is a shark)は字義→比喩の方向の語彙的拡大によって説明される (cf. Glucksberg 2001, Carston2002, Vega2007).
この説明を応用し、慣用表現の非典型的解釈のうち、字義的解釈 (e.g. 文字通りの爆弾発言/もち肌/死闘…) を比喩→字義の方向の (擬似的な) 語彙的縮小として捉える.

・慣用表現の強調的解釈 (e.g. 文字通りの地獄/天才/断崖絶壁…) を、性質の顕著性やプロトタイプ的意味の特定を動機とした語彙的縮小として捉える.

·慣用表現の字義的解釈を用いた実例を観察すると、ダブルミーニング (e.g. 「爆弾に関する発言かつ、他人を仰天させるようなもの」という意味で「爆弾発言」) を取ることが多い.特定の語彙的縮小のされ方とダブルミーニングの形成との有契性を主張する.

 

・第二発表
発表者:岡久太郎(谷口研究室D3)
タイトル:統語的曖昧性の韻律的区別と認知的負荷の関係性
キーワード:統語的曖昧性、韻律、ダウンステップ、ジェスチャー、認知的負荷
概要:統語的曖昧文の意味を区別する韻律的特徴の一つとしてダウンステップという現象が報告されている。本発表では、統語的曖昧文を読ませる課題において、以下の4つの条件において、一方の意味で発話を行わせた: (1) 発話のみに集中する、(2) 意味区別のためのジェスチャーを伴いながら発話、(3) 3つの単語を記憶させながら発話、(4) 無意味な手の動きを行いながら発話。これらの条件における韻律的特徴を比較することで、韻律的区別やジェスチャーが認知的にどのような位置付けのものであるかを考察する。

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