時間: 5/30(土) 13:00~
発表者: 岡久 太郎 京都大学 人間・環境学研究科 特定研究員 (プロジェクト名: 共創的コミュニケーションのための言語進化学)
タイトル: 統語的曖昧文の産出・理解におけるパラ言語的情報の利用について
キーワード: 統語的曖昧文、韻律、ダウンステップ、ジェスチャー、第二言語学習者
要旨: 我々は日常のコミュニケーションにおいて、話し手が自身の意図を伝達するために、また、その意図を聞き手が理解するために、言語表現以外にも多様なモダリティにおける情報を利用している。本発表では、言語的には曖昧性を有する統語的曖昧文の産出・理解において、話し手と聞き手がどのようにパラ言語的情報を利用しているのかを明らかにすることを試みる。第一に、産出の側面については、発話の統語構造に対応した韻律的情報とジェスチャーに着目し、その両者が一つの発話に共存しうる付加的な情報であるのかを検討した。第二に、理解の側面については、ジェスチャーが共起する統語的曖昧文の発話が、発話のみに集中した発話と比べ、聞き手の理解のしやすさにどのような影響を与えるのかを検討した。さらに、第二言語学習者の言語理解においてはパラ言語的情報を有効に活用することが難しいという先行研究を参考に、日本語を第二言語話者として学習する香港在住の広東語母語話者がジェスチャーを伴った発話を正しく理解できるのかを実験的に検討した。
*本研究会はZoomにて開催いたします。