認知言語学系研究室のイベント案内

6月11日 言語フォーラム

時間: 13:00~
発表者: 本澤 拓 (谷口研M1)
タイトル: 散文小説における作品特有の表現及び物語の展開の認知言語学的分析
要旨: 本論文では、日本の現代小説の『コンビニ人間』と『異類婚姻譚』の文学的表現と物語の展開を融合理論により分析する。融合理論はFauconnier and Turner(2002)で詳しく議論されている。本論文では融合という操作が無意識に行われているものであること、融合スペース内で創発構造を生み出す操作のうち「合成」だけでなく「完成」や「精緻化」も重要な役割を果たしていることを強調する。実際の分析に入る前に、文学作品の認知言語学的な研究で、文学的なメタファーに見られる特徴を分析したものを紹介する(Lakoff and Turner 1989,Semino 2008)。さらに、これらの特徴について融合理論による独自の分析を行う。どちらの作品の分析においても、読者はテクストからメンタルスペースを形成することで、語り手である主人公の世界観を理解していく。さらに融合スペース内での創発構造を生み出す操作を観察することで、メタファー表現にとどまらない小説特有の表現が解釈できる。またメンタルスペースの働きを観察することで、文学的表現だけでなく物語の展開についても解釈できる。本論文では作品の一部だけを抜き出して個別に分析するのではなく、作品全体として他の表現との関わりも考慮しながら解釈していく過程を記述した。
*本発表はZoomで開催します。

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