日時: 2/25 13:00~ (zoom開催)
タイトル: 複合名詞意味研究 –N難民を例に–
発表者: 近 大志 (谷口研D1)
キーワード: 複合名詞,認知言語学,N難民
概要: 複合名詞 (N+N) は叙述要素を含まないため,意味の取り扱いが困難だとされる (cf. Downing 1977; Jespersen 1942).本発表の目的は,認知言語学 (Fillmore&Baker 2015; Sullivan 2012) の知見を援用し,(i)意味記述における一般性と具体性の両立 (ii)内心複合語および,多数の文献で外心複合語とみなされ,例外事例とされた比喩的複合名詞 (cf. Benzces 2006; Jackendoff 2010) に対する統一的説明 の2点が達成できるような理論的枠組みを提示することにある.この目的に従い,発表者は (a)高い生産性 (b)名詞間の多様な意味関係 (c)字義/比喩の連続性 を特徴とする複合名詞のパタン「N難民 」(e.g. コソボ難民,地震難民,ネカフェ難民,マスク難民) を具体例として考察する.