認知言語学系研究室のイベント案内

5月28日 京都言語学コロキアム (KLC)

日時:5月28日(土)13:00〜

場所:Zoomによるオンライン開催

(参加を希望される方はtaniguchi.info_at_gmail.com までご連絡下さい (_at_→@) )

タイトル:文字・音声・形式 —“あたりまえ“を再考する—

発表者:西村綾夏(フリー)、黒田一平(京都大学ほか[非常勤])

キーワード:CMC(Computer-mediated Communication)、打ち言葉、認知文字論、新規用法、モノ化

要旨:本発表では、「文字は音声を写したものである(文字はあくまでも音声ありきの存在である)」という伝統的な文字観・言語観に関する議論を行う。近年の研究では、「話し言葉(音声言語)」と「書き言葉(文字言語)」では様々な点で異なることが明らかにされており、日常会話コーパスの整備や話し言葉研究が盛んになってきている。話し言葉研究においては母語話者の社会的属性によるバリエーションが重視され、動的な文脈の中から「文法」がどのように創発するかが明らかにされつつある。その一方で、書き言葉におけるダイナミクスに対しては、話し言葉ほどには着目されていないように思われる。しかし今日では CMC(Computer-based Communication) において話し言葉的な性質を持った書き言葉である「打ち言葉(typed language)」が用いられ、SNS等を舞台に日々興味深い事例が観察されている。また、日常生活においては創作漢字・合字といった創造的な文字使用がみられる。本研究ではこうした興味深い事例のうち、(i)ビジネスチャットの挨拶などにみられる語尾、(ii) 打ち言葉特有の文体(オタク文体)、(iii) 創作漢字(合字)という3つの事例を中心に取り上げ、書き言葉(文字言語)のダイナミクスについてオーディエンスも交えた議論・分析を試みる。

※本発表は、明確な結論のある研究発表というよりは、事例の共通、話題の提供を元に、オーディエンスも交えた和やかな雰囲気での議論の場にしたいと思います。若者ことばやインターネットスラングに関心のある多くの方の参加を歓迎します。

※本発表は、西村・黒田の主催による「新規表現研究会」にて出た事例に着想を得たものです。ご興味のある方は会へのinviteメールをお送りいたしますので、どうぞお気軽にご連絡ください。

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