認知言語学系研究室のイベント案内

9月24日 京都言語学コロキアム (KLC)

日時:9月24日(土)13:00~15:00
場所:Zoomによるオンライン開催
(参加を希望される方はtaniguchi.info_at_gmail.com までご連絡下さい (_at_→@) )

タイトル:発語内行為としてのフィクション制作―フィクション化の単位について―

発表者:井上優大(京都大学[院])・佐藤雅也(京都大学[院])

キーワード:フィクション制作、発語内行為、言語装置、話し手の意図、フリ、フィクション化の単位

概要:フィクション作品のフィクション性はいかにして生まれるのだろうか。現代の哲学・語用論において主流となっている見方は「作品の著者が執筆にあたって行う行為の結果としてフィクション性が生まれる」というものである。では、その行為とはいかなるものなのか。それを説明する理論が依拠する立場は3つに大別できる。(i) フィクション制作は特定の言語形式に紐付いた発語内行為であるとする立場、(ii) 話し手の意図に基づいた発語内行為であるとする立場、そして (iii) 真剣な発語内行為を行なっているフリであるとする立場である。これら3つのいずれかに分類されるどの理論も「フィクション制作という行為は、一文もしくは複数の文から構成された、作品全体未満の発話単位で行われている」という共通の前提に基づいている。本発表は、「フィクション制作は作品全体という単位で行われている」ということを示し、この前提が誤っていることを明らかにする。その上で、理論 (ii) 及び (iii) に関しては、修正を加えることで保持可能であることを提案する。

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