日時:7月27日(木)13:00〜
場所:総合人間学部棟 1107号室およびZoom
(参加を希望される方はtaniguchi.info_at_gmail.com までご連絡下さい (_at_→@) )
タイトル:日本語の身体語句を用いた慣習的なメタファーに関する研究の批判的な検討と一つの試案
発表者:徳渕 樹 (谷口研 D1)
キーワード:身体語句、慣用句、概念メタファー、メトニミー
概要: 日本語には「頭」「胸」「腹」などと云った身体語句を用いた慣用句が数多くある。中でも上記の三つは「感情」や「思考」を表す慣用句として用いられることが多いため、認知言語学の枠組みの中では身体性 (embodiment) の観点から良く注目されて来た。
しかしながら、この方面に関する既存の研究をつぶさに観察してみると、そこから幾つかの重大な問題が浮かび上がってくる。そうして其れらの問題は多くの研究に共通するものとなっている。そこで本発表は、日本語の身体語句を用いた慣習的なメタファーに関する先行研究を改めて批判的に検討し直すことによって、一連の研究に共通する幾つかの問題点を明示し、さらには其れを受けて新たな一つの修正案を提示することを目的とする。
日時:7月20日(木)13:00〜
場所:総合人間学部棟 1107号室およびZoom
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タイトル:Instagramにおけるオノマトペハッシュタグについて
発表者:山崎 由佳 (谷口研 D1)
キーワード:ハッシュタグ、オノマトペ、日本語、ソーシャルメディア
概要:
日本語のオノマトペは品詞論的に多様な振る舞いを示す(例:「ブーブー(が)来た」「ブーブー(と)うるさい」)。また、ハッシュタグを含む表現には、その統語的な構造に曖昧性が見受けられることもある。ここで、発表者はハッシュタグとして現れるオノマトペに着目し、ソーシャルメディアのInstagram上でその調査を開始した。本発表では、Instagramにおけるオノマトペハッシュタグの出現頻度と黄 (2011) の示すBCCWJにおけるオノマトペ出現頻度との比較、表記(平仮名か片仮名か等)に関する頻度調査とその傾向性の分析、オノマトペハッシュタグの統語的機能の分類の難しさなどについて取り上げることを考えている。
(黄慧. 2011. 「オノマトペの基本語彙に関する一考察–『現代日本語書き言葉均衡コーパス (2009モニター公開版)』を用いて」『東京外国語大学日本研究教育年報』15: 17–39.)
日時:7月13日(木)13:00〜
場所:総合人間学部棟 1107号室およびZoom
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タイトル:連体修飾節における道具目的語構文の容認性
発表者:冨岡 侑央 (谷口研 D1)
キーワード:認知文法, 構文交替, 参照点, 連体修飾節
概要:日本語における道具目的語構文は連体修飾節において容認されやすいことが指摘されている。本研究では道具名詞が被修飾名詞の参照点として機能していると主張し、このことによる道具名詞の際立ちの高さが道具目的語構文の容認性に影響を与えていると分析する。
日時:6月22日(木)13:00〜
場所:総合人間学部棟 1107号室およびZoom
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タイトル:NP as it is known表現の諸特徴について
発表者:佐藤 嘉晃 (谷口研 D3)
キーワード:as, NP as we know it、情報構造、構成素、 構文
概要:英語にはthe world as we know itのようなas節が能動態である例(以降、NP as we know it 表現類)に加えて、as節が受動態となっているthe truce village as it’s knownのような例(以降、NP as it is known表現類)が存在する。一見したところ態以外は同じ表現に見え、その振る舞いも似通ったものであることが期待されるが事実はそうではない。本発表では両者の共通点と相違点を探りながらNP as it is known 表現類の諸特徴を明らかにしていく。具体的には統語的側面に関して、NP as 節で一つの統語的構成素を構成しているか否か、また特定の事態と顕著な結びつきがあるか否か、そしてこれら表現が使用されている文以降の文章で対応する表現が何らかの形で顕在的に再びどの程度の割合で出現しているのかという三点に焦点を当てて議論と考察を進めていく。
日時:6月15日(木)13:00〜
場所:総合人間学部棟 1107号室およびZoom
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タイトル:Seeing, Looking型分詞構文の事態分化
発表者:樫本 拳斗 (谷口研 M1)
キーワード:語彙アスペクト、語彙意味論
概要:英語分詞構文において知覚を表す動詞look と see が分詞構文の分詞句に生起する際に,Looking 型分詞構文の方がSeeing型分詞構文に比べて頻度が高くなる.本発表ではこの頻度の差が起きる原因を以下の3つの語彙的な観点から考察を行う.
①共起する要素(補部となる目的語と前置詞句,そして副詞を中心に)
②語彙構造(知覚・認識を表す際の意味構造と統語的違い)
③語彙アスペクト