ようこそ認知言語学系研究室Webサイトへ
ようこそ、京都大学大学院 人間・環境学研究科 認知言語学系研究室へ。

当研究室では、「言語は人間の身体化された認知能力と運用能力に深く根差した存在である」という認知言語学的な視点から、言葉と言葉の背後に存在する認知のメカニズムの解明を目指しています。

研究室の情報については、左のメニューからアクセスしてください。
今後の予定

    2/15 自主ゼミ

    日時: 2/25 13:00~ (zoom開催)
    タイトル: 複合名詞意味研究 –N難民を例に–
    発表者: 近 大志 (谷口研D1)
    キーワード: 複合名詞,認知言語学,N難民
    概要: 複合名詞 (N+N) は叙述要素を含まないため,意味の取り扱いが困難だとされる (cf. Downing 1977; Jespersen 1942).本発表の目的は,認知言語学 (Fillmore&Baker 2015; Sullivan 2012) の知見を援用し,(i)意味記述における一般性と具体性の両立  (ii)内心複合語および,多数の文献で外心複合語とみなされ,例外事例とされた比喩的複合名詞 (cf. Benzces 2006; Jackendoff 2010) に対する統一的説明 の2点が達成できるような理論的枠組みを提示することにある.この目的に従い,発表者は (a)高い生産性 (b)名詞間の多様な意味関係 (c)字義/比喩の連続性 を特徴とする複合名詞のパタン「N難民 」(e.g. コソボ難民,地震難民,ネカフェ難民,マスク難民) を具体例として考察する.

    1/30 京都言語学コロキアム (KLC)

    日時: 1月30日 (土) 13:00~

    発表者:野澤元(京都外国語大学)・神原一帆(京都大学大学院)・高橋武志(京都外国語大学大学院)

    タイトル:多様な詳述度を含む文のフレーム・構文構造についての考察-身体語彙を例にして-

    キーワード:詳述度、スコープ、フレーム、概念化、構文

    要旨: 認知言語学では、言語表現が産出・理解される際、その意味は単に客観的に捉えられた世界の表示ではなく、主観的に切り取られ、構造化された、「概念化」の産物だと考えられている。しかし、概念化はどのような表現単位毎に生じしているのかについては、明確にわかっていない。例えば、ある文に複数の参与者が含まれる場合、それらは常に単一のフレームとして概念化されるのか、それとも複数のフレームとなるのかという問題がある。特に、それらの参与者が、ドアとカギのように詳述度の異なるものであった場合、一つの概念化に収めるのは難しいのではないだろうか。 本稿では、身体部位を含む表現を事例として、具体的には、”with a hand”といった<with + 身体部位>の表現を含む文をコーパスから抽出し、その前後の文脈を調査することで、詳述度の水準に合わせて、異なる概念化が生じている可能性を検討する。また、そのような概念化のパターンに応じて、異なる構文が用いられていることを示唆する。

    *オンライン開催です。参加を希望される方は、連絡をいただければzoomのID等をお知らせします。

     

    12月5日 京都言語学コロキアム (KLC)

    ・日時: 12/5 (土) 13:00~
    ・発表者: 萩原 広道 (人間・環境学研究科 阪上雅昭研究室/日本学術振興会特別研究員)
    ・タイトル:言語発達初期における語の意味の未分化性と可塑的変化: 「胚性詞」仮説の検証に向けて
    ・キーワード:言語発達,語意学習,名詞と動詞,モノのカテゴリー
    ・要旨:多くの言語圏において,初期の語の多くはいわゆる〈モノの名前〉に対応する名詞が多くを占める。一方,乳幼児期の語は,成人の語と比較して未分化な意味をもっており,見かけ上名詞だからといって安易に〈モノ〉を指示しているとは限らないと考える理論家もいる。「語の意味は未分化な全体から特定の明確なカテゴリーへと変化する」と主張したウェルナーとカプラン(1963)の理論的仮説をもとに,本発表では,特に①名詞の意味は初期には《靴を履く》のように少なくとも〈モノ+行為〉の未分化な総体としての〈出来事〉に対応しており,〈モノ〉だけに分節化していない,②ある発達時期を境に,語の意味は〈出来事〉から分節化(脱文脈化)して,名詞は〈行為〉に左右されない〈モノ〉だけを指示するようになる,という下位仮説を立て,これらを検証した複数の研究成果を報告する。
    *オンライン開催です。参加を希望される方は、連絡をいただければzoomのID等をお知らせします。