ようこそ認知言語学系研究室Webサイトへ
ようこそ、京都大学大学院 人間・環境学研究科 認知言語学系研究室へ。

当研究室では、「言語は人間の身体化された認知能力と運用能力に深く根差した存在である」という認知言語学的な視点から、言葉と言葉の背後に存在する認知のメカニズムの解明を目指しています。

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今後の予定

    7月25日 言語フォーラム

    日時:7月25日(木)13:00~

    場所:総合人間学部棟 1107号室

    ・第一発表

    発表者:佐藤嘉晃(谷口研究室 D1)

    タイトル:From Manner to Temporal Uses: Historical Changes of the English Subordinator As
    キーワード:historical linguistics, polysemy, diachronic semantic change, shift in focus, as
    概要:(国際認知言語学会の発表練習です)The English subordinator as is known to be polysemous in Present-Day English (PDE) (e.g. manner, time, and cause). The general semantic continuity between the temporal and causal uses is already pointed out by Traugott and König (1991) through the diachronic semantic study of since, but that of the manner and temporal uses is not investigated in detail. Therefore, this paper, based on corpus research, clarifies their semantic continuity and reveals what factors engendered these different uses. Specifically, it is pointed out that there has existed an intermediate case since the OE period and the degree, in addition to some additional factors, plays a nontrivial role of this semantic change to which the two concurring events are construed as inextricably being integrated.

     

    ・第二発表

    発表者:岡久太郎(谷口研究室 D3)

    タイトル: 認知語用論に論理形式は必要か?

    キーワード: 論理形式、関連性理論、ガーデンパス文、予想統語仮説、予想論理仮説

    概要: 認知語用論の分野において大きな影響力を持つ関連性理論では、言語理解に関わる推論の「素材」として、論理形式 (logical form) を仮定している。論理形式は統語処理部門の出力として、またそれに後続する推論処理を行う中央系の入力として位置づけられている。このモデルにおいて、統語処理は推論とは本質的に異なるものとして仮定されている。しかし、ガーデンパス文に代表されるように、オンライン処理において統語処理が文脈の影響を受ける (=推論が関わる) 現象が古くから報告されており、これは、予想統語仮説と予想論理仮説という概念装置を用いて説明されていた。しかし、この説明は関連性理論の最初期におけるものであり、近年の認知科学的研究が示す多様な現象を全て説明することは難しい。そこで、本発表では、論理形式という概念そのものの存在を問い直し、認知科学的により妥当なモデルの構築を目指す。

    7月18日 言語フォーラム

    日時:7月18日(木)13:00~
    場所:総合人間学部棟 1107号室

    ・第一発表
    発表者:関根雅晴(谷口研究室 D1)
    タイトル:他動性・自動性の観点から見た現代日本語のヴォイス関連構文
    キーワード:態 (Voice) 、他動性、自動性、受動文
    概要:現代日本語における態 (Voice) については、研究者によりその位置づけは様々であるが (cf. 金田一 1957, 寺村 1984, 他多数) 、おおむね、能動態、受動態、使役態、自発態、可能態などが認められている。態に関連する構文の分析にあたっては、構文要素である述部と名詞句の意味的な関係である他動性や自動性 (cf. Hopper & Thompson 1980, 角田 1991, 山梨 1995) といった観点からの考察が重要となる。本発表では、他動性と自動性に関する主要な先行研究とそれらをめぐる議論を概観したうえで、態関連構文のうち降格受動文 (益岡 1987, 2000) を取り上げ、他動性・自動性の観点から当該構文の性質とその位置づけを探る。

     

    ・第二発表
    発表者:田中悠介(谷口研究室 D2)
    タイトル:How do people understand linguistic empathy? The case of Japanese giving verbs
    キーワード:language processing, linguistic empathy, mental simulation, salience
    概要:(国際認知言語学会の発表練習です)Although two of the Japanese giving verbs ya-ru and kure-ru describe the same event, they are different in terms of speaker’s empathy: speakers use ya-ru and kure-ru when they empathize with the subject and the dative object, respectively (Kuno 1987). However, little is known regarding how people understand speaker’s empathy. In the current study, an experiment was conducted in which participants were asked to see a picture after reading either an age-ru (the verb used instead of ya-ru) or a kure-ru sentence, and judge if the pictured event match the described event. The results demonstrated that participants were faster to verify the picture drawn from the subject perspective and the dative object perspective when reading kure-ru sentences and age-ru sentences, respectively. These results can be explained by the notion of salience in Cognitive Grammar (Langacker 2008): people understand linguistic empathy by conferring salience to the participant with whom the speaker empathize.

    7月11日 言語フォーラム

    日時:7月11日(木)13:00~

    場所:総合人間学部棟 1107号室

    ・第一発表

    発表者:佐藤雅也(谷口研究室 D2)

    タイトル:適切性条件の充足予測と発語内行為の正当化可能性について

    キーワード:発語内行為、適切性条件、共通基盤

    概要:本発表は、適切性条件が満たされていない場面において、どのような条件が整えば発話行為の行使が正当化されるのかについての考察を行うものである。まず、一部の適切性条件は共通基盤に含まれている必要があることについて確認する。その上で、それらが共通基盤に存在しない場面において、発話行為後に逆算的に適切性条件が満たされることを話し手が予測可能であれば、その行為が正当なものとなるということを主張する。

     

    ・第二発表

    発表者:藤田亜弓(谷口研究室 D3)

    タイトル:失語症における抽象的態度の障害とその認知メカニズム

    キーワード:失語症、抽象的態度の障害、プロトタイプ、記号関係

    概要:(日本認知言語学会第20回全国大会での研究発表の予演です。)本発表は、失語症評価の1つである呼称課題において、うどんの絵を「すうどん」、電話の絵を「プッシュボタンの電話」というような、過度に具体的な表現で表出されるという症状に着目し、Goldstein (1948) で「抽象的態度の障害」として述べられる本現象についてプロトタイプ理論の枠組みで精緻化することを目的とする。具体的には、失語症により一般名詞の音韻形式と意味表象の間の連合関係が弱まることで、音韻形式と失語症者自身の個別経験における特定の事例との連合関係が強くなるという可能性について、複数の呼称反応例から検証していく。