ようこそ認知言語学系研究室Webサイトへ
ようこそ、京都大学大学院 人間・環境学研究科 認知言語学系研究室へ。

当研究室では、「言語は人間の身体化された認知能力と運用能力に深く根差した存在である」という認知言語学的な視点から、言葉と言葉の背後に存在する認知のメカニズムの解明を目指しています。

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今後の予定

    9月24日 京都言語学コロキアム (KLC)

    日時:9月24日(土)13:00~15:00
    場所:Zoomによるオンライン開催
    (参加を希望される方はtaniguchi.info_at_gmail.com までご連絡下さい (_at_→@) )

    タイトル:発語内行為としてのフィクション制作―フィクション化の単位について―

    発表者:井上優大(京都大学[院])・佐藤雅也(京都大学[院])

    キーワード:フィクション制作、発語内行為、言語装置、話し手の意図、フリ、フィクション化の単位

    概要:フィクション作品のフィクション性はいかにして生まれるのだろうか。現代の哲学・語用論において主流となっている見方は「作品の著者が執筆にあたって行う行為の結果としてフィクション性が生まれる」というものである。では、その行為とはいかなるものなのか。それを説明する理論が依拠する立場は3つに大別できる。(i) フィクション制作は特定の言語形式に紐付いた発語内行為であるとする立場、(ii) 話し手の意図に基づいた発語内行為であるとする立場、そして (iii) 真剣な発語内行為を行なっているフリであるとする立場である。これら3つのいずれかに分類されるどの理論も「フィクション制作という行為は、一文もしくは複数の文から構成された、作品全体未満の発話単位で行われている」という共通の前提に基づいている。本発表は、「フィクション制作は作品全体という単位で行われている」ということを示し、この前提が誤っていることを明らかにする。その上で、理論 (ii) 及び (iii) に関しては、修正を加えることで保持可能であることを提案する。

    7月30日 京都言語学コロキアム (KLC)

     

    日時:7月30日(土)13:00〜15:00

    場所:Zoomによるオンライン開催

    (参加を希望される方はtaniguchi.info_at_gmail.com までご連絡下さい (_at_→@) )

    タイトル:ホモ・レギュラリスの盲進: 規則追従性から紐解く言語の起源と進化

    発表者:吉川 正人 (慶應義塾大学[非常勤])

    キーワード:言語進化,規則生成,規則追従,アブダクション,類推,事例,ホモ・レギュラリス

    概要:ヒトは観察から規則を見出すことを得意とするが,その本性は,あらゆる現象の背後に「規則を見出してしまう」,いわば「規則のヒト (ホモ・レギュラリス)」であり,さらにはそのような「勝手に見出した規則」に「従ってしまう」性質を持つと言える.本発表では,このようなヒトの性質を「規則追従性」と名付け,そのような観点に基づき文法的な規則性を備えた言語の起源と進化のプロセスについて考えると同時に,それを可能にする言語習得のメカニズムについての仮説を提示する.具体的には,言語進化のプロセスとして,恣意的で holistic な形式と意味のペアリングに過ぎなかったプロト言語から分節化を経て構成的な構造を獲得するというシナリオを想定した上で,その途上で生じる必要があったと考えられる諸現象 (e.g., 母音と子音の成立,表現数と形式長の増加) について考察しつつ,これまでの研究で示されてきた世代間継承を通して分節化と「規則化」が進むプロセスを,規則追従性という観点から詳細化することを試みる.また同時に,世代間継承の際に生じる言語習得のメカニズムとしては,アブダクション (仮説推論) と事例ベースの類推を原動力として生成された規則が,規則追従性といういわば社会的な性質によって「収斂」していくことで成立するという仮説を提示し,その想定の利点と有効性について検討する.

    7月14日 フォーラム

    日時:7月14日(木)15:00〜

    場所:総合人間学部棟 1107号室およびZoom
    (参加を希望される方はtaniguchi.info_at_gmail.com までご連絡下さい (_at_→@) )

    タイトル: N難民の意味について
    発表者:近 大志  (谷口研 D3)

    キーワード: 複合名詞,構文スキーマ,意味フレーム,意味の強制
    要旨: 近年,「難民」を主要部とした複合名詞 (N難民) の新規事例が数多く観察される.このパタンの特徴には (i)生産性が高いこと (ii)前項名詞との意味関係が多様であること (cf. パレスチナ難民,ネカフェ難民,帰宅難民,マスク難民) (iii)主要部が字義的な解釈を受けない事例が多いことの3点が指摘できる.本発表では実例調査の結果を用い,認知言語学の観点から(i-iii)について説明を行う.