ようこそ、京都大学大学院 人間・環境学研究科 認知言語学系研究室へ。

当研究室では、「言語は人間の身体化された認知能力と運用能力に深く根差した存在である」という認知言語学的な視点から、言葉と言葉の背後に存在する認知のメカニズムの解明を目指しています。

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○ お問い合わせについて:
平時、研究室の運営のために用いておりますメールアドレス  taniguchi.info_at_gmail.com (_at_ → @)  へ宛てられたものは、世話係および渉外係を担当する当研究室の院生が閲覧・対応しております。
教員(谷口一美教授)との直接のコンタクトを希望される方は、人間・環境学研究科のホームページ記載の 教員紹介ページ をご参照ください。

※2024年4月にサイトをリニューアルしました。

今後の予定

7月25日 自主ゼミ

日時:7月25日(木)13:00〜
場所:総合人間学部棟 1107号室およびZoom

(参加を希望される方は taniguchi.info_at_gmail.com までご連絡下さい (_at_→@) )

書評:Colleman, Timothy. 2010. The benefactive semantic potential of ‘causes reception’ constructions: A case study of English, German, French, and Dutch. In Fernando Zúñiga and Seppo Kittilä (eds.), Benefactives and Malefactives: Typological perspective and case studies, pp.219-243. John Benjamins.
発表者:関太壱(谷口研M2)
キーワード:beneficiary, maleficiary, ditransitive constructions, double object construction
概要:上記論文のレビューを行う。

*今回より夏季休業の間は自主ゼミ形式での開催となります。

7月18日 フォーラム

日時:7月18日(木)13:00〜
場所:総合人間学部棟 1107号室およびZoom

タイトル:「加藤安彦携帯メイルコーパス」における絵文字の位置(仮)
発表者:山崎由佳(谷口研D2)
キーワード:絵文字, コーパス, デジタル・コミュニケーション
概要:「加藤安彦ケータイメイルコーパス」における携帯メイル上の絵文字の登場位置と使用傾向を分析する。(本発表は、「言語資源ワークショップ2024」に向けたものである)

7月11日 フォーラム

日時:7月11日(木)13:00〜
場所:総合人間学部棟 1107号室およびZoom

(参加を希望される方は taniguchi.info_at_gmail.com までご連絡下さい (_at_→@) )


書評1:Yuasa, Etsuyo. 2021. Constructionalization of Japanese koto imperatives. In Martin Hilpert, Bert Cappelle, and Ilse Depraetere (eds.), Modality and Diachronic Construction Grammar, 219-246. John Benjamins.
発表者:白石暖哉(谷口研M2)

キーワード:日本語, 構文化, 命令法, 節構造, 中断節

概要:上記論文のレビューを行う。


書評2:Haspelmath, Martin. 2023. On what a construction is. Constructions. 15(1). 

発表者:樫本拳斗(谷口研M2)

キーワード:construction grammar, lexicon, inventorium, morphology, syntax

概要:上記論文のレビューを行う。

6月27日 フォーラム

日時:6月27日(木)13:00〜
場所:総合人間学部棟 1107号室およびZoom

(参加を希望される方は taniguchi.info_at_gmail.com までご連絡下さい (_at_→@) )

タイトル: NP V NP NP構文における同形異義衝突の回避と同形異義の保持についてー通時的発展を通してー
発表者:関太壱(谷口研M2)
キーワード: NP V NP NP構文, 二重目的語構文, 同形異義構文(homostructions), 同形異義衝突(homonymic clash), 通時的構文文法
概要: 二重目的語構文の共時的な構文ネットワークは年岡(2008, 2014)によって包括的に詳述されている。しかしながら、通時的に観察すると、NPX V NPY NPZ構文の中には二重目的語構文とは別の起源を持つ構文が存在する。つまり、これらは偶然同じ形式を持つようになった同形異義構文(homostructions)であると考えることができる。さらに、この同形異義構文の中には、現代英語に至るまで保持され続けてきた構文(e.g., NPX cost NPY NPZ)と消失してしまった構文(e.g., NPX deprive NPY NPZ)がある。そこで本研究の目的は、従来意味的条件が主な要因とされてきた同音異義衝突の回避に関して、NPX V NPY NPZ構文における同形異義衝突の回避と同形異義の保持を通して、意味的条件以外の要因を構文文法の枠組みで考察するところにある。

6月20日 フォーラム

日時:6月20日(木)13:00〜
場所:総合人間学部棟 1107号室およびZoom

(参加を希望される方は taniguchi.info_at_gmail.com までご連絡下さい (_at_→@) )

タイトル: 認知言語学的視点を取り入れた補部選択の指導法の検討
発表者:瀬戸口彩花(谷口研M2)
キーワード: 補部選択, 意思性(volition), 外国語教育
概要: 本発表の目的は、発表者の考えるto不定詞・動名詞補部のイメージが英語学習者にとって理解可能か、多様な意味範疇をどの程度捉えられているのかを検討することである。これまで、外国語教育の分野では、to不定詞・動名詞の使い分けに関して、リスト学習や、未来志向と過去志向(または現在)という意味的な差に言及する指導が中心に行われてきた。一方で、先行研究において、これらの指導法における用法説明の不十分さ(佐藤, 2011)が指摘されている。近年では、認知言語学的な視点を取り入れ、意味的なコアに焦点を当てた指導(藤井, 2009)や多様な用法の段階的な意味の広がりに着目した指導(Kaleta, 2020)を行い、その効果を検証する研究も行われている。しかし、これらは依然として説明的な指導法であり、それぞれのグループの動詞と補部選択を結び付けるという暗記学習の領域からは抜け出せていない。本発表では、谷口(2005)や大槻(2014)行為連鎖モデルを応用し、to不定詞・動名詞の根幹的意味をイメージ(影像)を提案し、特に「潜在的・未来的な意図性」の存在に焦点を当てた指導法を提案する。
加えて、このような指導効果を測るためのテストの内容及び実施方法についても検討を行う。

京都言語学コロキアム(KLC)

今年度は諸事情により5月のKLCを開催することができませんでしたが、今月末(6月29日)に開催する運びとなりました。

菊地礼先生(長野工業高等専門学校)をお招きし、発表していただきます。

変則的な開催にはなりますが、ご興味のある方は是非ご参加下さい。以下にその情報を記載いたします。

日時:6月29日(土)13:00〜15:00
場所:総合人間学部棟 1107 号室および Zoom
(参加を希望される方は taniguchi.info@gmail.com までご連絡下さい)

発表者:菊地礼 先生(長野工業高等専門学校)

タイトル:直喩と肯定の関係

キーワード:比喩, 直喩, 肯定, みとめ方, 肯定極性

概要:本発表は日本語における直喩は、その形成において肯否(みとめ方)の文法カテゴリーが深く関与することを述べる。まず、「現代日本語書き言葉均衡コーパス」(BCCWJ)を用いた調査によって、述語として用いた直喩(○○のようだ)がほぼすべて肯定文として運用されること、連用修飾を行う直喩(○○のように[用言])の用言もほぼすべて肯定形式となることを確認する。その上で、なぜ肯定に偏るかを問い、直喩と肯定の親和性の原因を考察する。先行研究における比喩と否定の関係を整理したうえで、比喩において否定できるのはイメージの選択が適切であったか否かであり、比喩そのものを否定はできないことを示す。比喩は「事実否定性」(国立国語研究所1977)を有するため、命題・事象の真偽を改めて否定することができないためである。そして、肯定形式によって提示するのは、喩辞に託したイメージが対象を表現するために適しているという話者の適否の判定を反映する。また、このような適否の判定は直喩が「ようだ」のような証拠性に関与し、確からしさを表す文法形式を用いることからも見て取れる。このように直喩を形成する上での肯定の働きを述べ、最後に連用修飾として用いた直喩を肯定極性表現としても位置付ける。

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