新着情報
京都言語学コロキアム(KLC)
萩澤大輝 先生(近畿大学)をお招きし、発表していただきます。 日時:1月25日(土)13:00〜15:00 場所:Zoomによるオンライン開催 (参加を希望される方は taniguchi.info@gmail.com までご連絡下さい) 発表者:萩澤大輝 先生(近畿大学) タイトル:意味記述を解きほぐす キーワード:意味記述、ラベル、訳語 概要:言語学および言語教育では、「意味を記述する」という営みがごく日常的に行われている。この意味記述と密接に関連する概念として、ラベルと訳語が挙げられる。本発表では、認知言語学の立場から(i)意味のラベルと意味記述の混同、(ii)形式のラベルと意味のラベルの混同、(iii)訳語の意味記述の混同という問題点を検討することを通じて、意味記述・ラベル・訳語という三者の関係性を解きほぐし、よりよい意味記述を実践していくための手がかりを提供することを目的とする。
1月16日フォーラム
日時:1月16日(木)13:00〜 場所:総合人間学部棟 1107号室およびZoom タイトル:メンタル・スペース理論に基づくメタファー明示構文の分析 キーワード:メンタル・スペース、メタファー明示構文、スペース導入表現 発表者:角出凱紀(谷口研D3) 概要:本発表では、メタファーをメンタル・スペースの観点から捉え直す (e.g. 鍋島 2016; Kövecses 2017, 2020) ことによって、多岐に渡るメタファー明示構文をある種のスペース導入表現として統一的に分析が可能であると主張する。また、ケーススタディとしてやや周辺的なメタファー指標である条件文・認識動詞・否定について取り上げる。
12月19日 フォーラム
日時:12月19日(木)13:00〜 場所:総合人間学部棟 1107号室およびZoom (参加を希望される方は taniguchi.info_at_gmail.com までご連絡下さい (_at_→@) ) タイトル:認知言語学を応用した英文法教育の可能性ーto不定詞・動名詞の指導を例としてー キーワード:応用認知言語学、構文文法、to不定詞・動名詞補部 発表者:瀬戸口彩花(谷口研M2) 概要:近年、第二言語習得の分野において応用認知言語学というアプローチが提唱されている。Littlemore (2009) やTyler (2012) がその詳細について述べているように、認知言語学の言語観や理念を第二言語教育に生かそうとする試みである。応用認知言語学のアプローチは、イメージ・スキーマを用いた前置詞の多義性とその活用の指導(Tyler, 2010 や 谷口, 2005)に代表されるように、語彙の意味指導において特に研究が進んでいる。一方で、文法指導においてはそれほど研究が進んでいない。日本でも、国際化による共通語としての英語受容とともにコミュニケーション重視の英語教育が注目される中で、こ […]
12月12日 フォーラム
日時:12月12日(木)13:00〜 場所:総合人間学部棟 1107号室およびZoom タイトル:同形異義構文の消失と保持に関する一考察 -英語二重目的語構文を例に- キーワード:(通時的)構文文法、同形異義構文、異構文、二重目的語構文 発表者:関太壱(谷口研M2) 概要:現代英語の二重目的語構文(以下、DOC)は基本的に「授与」に関連する事態のみを表すとされているが、近代英語あたりまでは「授与」以外の事態(e.g.,「追放(banishment)」、「純粋な受益(pure benefaction)」、「奪取(dispossession)」など)を表すことも可能であったとされている。先行研究ではこれらの意味を表すDOCが消失したのは「授与」を表すDOCとの意味的衝突が原因とされている。しかし、意味的衝突による説明では「請求」を表すDOC(e.g., NP cost NP NP)が現代英語まで保持されている事実を説明できないという問題が生じる。本研究では、消失した「奪取」を表すDOCと保持され続けている「請求」を表すDOCを通して、その消失および保持に関する意味的衝突以外の要因を異構文ア […]
京都言語学コロキアム(KLC)
日時:12月7日(土)13:00〜15:00 場所:総合人間学部棟 1107 号室および Zoom (参加を希望される方は taniguchi.info@gmail.com までご連絡下さい) 発表者: 大田垣仁 先生(近畿大学) タイトル:コア・モデル比較からみる名詞句に生じる換喩《metonymy》の基礎づけ キーワード:コネクター、指示の転換と連想 概要:本発表では、名詞句に生じる換喩(メトニミー、metonymy)の成立メカニズムを明らかにするため、先行研究からコア・モデルを抽出し、それらを分析する。コア・モデルとは、問題となる現象について根幹的な説明を与える理論的な枠組みである。Langackerのアクティブゾーンや参照点構造モデル、Croftのドメインモデルといった広く知られた理論に加え、近年のコア・モデルの特徴や「トレンド」についても紹介する。 抽出したモデル間の共通点およびモデル固有の特性を概観し、近年の分析がドメインやフレームの概念を基盤とすることを指摘する。その結果、名詞句レベルにおいて異なる次元の隣接性認知が換喩として取り込まれつつある現状を論じる。 これに対し、 […]
12月5日 フォーラム
日時:12月5日(木)13:00〜 場所:総合人間学部棟 1107号室およびZoom (参加を希望される方は taniguchi.info_at_gmail.com までご連絡下さい (_at_→@) ) タイトル:メトニミーとしての構文交替:動詞と構文の意味の相互調整 キーワード:構文交替、メトニミー、構文文法、ドメインマトリクス 発表者:冨岡侑央(谷口研D2) 概要:本研究では壁塗り交替に代表されるような格体制の交替現象が広義のメトニミーに属すると主張する。壁塗り交替などの構文交替を起こす動詞は、その意味に状態変化ドメイ ンと移動ドメインを含んでおり、そのいずれかが構文(格パターン)の意味との相互調整 を経て焦点化される。これには動詞と項の間で意味の調整が行われるメトニミーと同様の原理が働いている。またこうした相互調整のプロセスを論じるために、構文交替に関わる動詞、構文の意味構造についても認知言語学的な意味観に基づいて考察する。
11月28日 フォーラム
日時:11月28日(木)13:00〜 場所:総合人間学部棟 1107号室およびZoom (参加を希望される方は taniguchi.info_at_gmail.com までご連絡下さい (_at_→@) ) タイトル:構文文法と語彙意味論の統合について考える -look in somebody’s eye / look somebody in the eyeとの比較を通して- 発表者:樫本拳斗(谷口研M2) 概要:ある構文が認可される(表現として文法的である・使用される)条件を探るうえで,下位レベルの表現を分析することの重要性について論じられてきた (cf. Iwata 2006, Iwata 2008, Iwata 2020, 岩田 2021)。本発表では,「ある要素が当該の構文に生起可能な要因は下位レベルの表現を分析することで明らかになる」という主張の妥当性をより強化することを主な目的とする。語彙規則を仮定するアプローチ では派生を仮定している。派生を仮定する場合,「何を基本形とするのか」,「派生した結果,動詞が選択していない項が生起するのはなぜか」という問題が生じる。 […]