新着情報
6月26日(木)フォーラム
日時:6月26日(木)13:00〜 場所:総合人間学部棟 1107号室およびZoom タイトル:no matter構文の文法的性質にかんする調査・考察 キーワード:no matter、構文文法、because X構文、スキーマ 発表者:高田直人(谷口研M2) 概要:本発表では、英語のno matter NP構文について扱う。修士論文では、当該の構文を通時的・共時的両側面から扱う予定である。本発表では、そのうち共時的な側面に焦点を当て、no matter NP構文が関連するno matterの諸構文とは独立した構文であることを金谷(2019)をはじめとする先行研究や、コーパス調査を用いて主張し、no matter NP構文の文法的な特徴について記述することを目標とする。
6月19日(木)フォーラム
日時:6月19日(木)13:00〜 場所:総合人間学部棟 1107号室およびZoom タイトル:競合する構文間の意味的な関係性に関する考察 キーワード:競合、交替、構文ネットワーク、ロシア語、受動 発表者:谷浦淳也(谷口研M2) 概要:発表者は修士課程の研究で,ロシア語にみられる複数の受動構文において,受動性が生起する仕組み,および受動性を共有するそれらの構文間にみられる意味的な関係性についての考察に取り組んでいる。本発表では,構文文法における一般化および構文ネットワークに関する議論を踏まえ,異なる形態統語的構造をもつ構文が競合する場合に,それらの構文の間にどのように意味的な関係性が生起するのかを検討する。
6月12日(木)フォーラム
タイトル:否定形式を用いたメタファー表現の量的分析 キーワード:メタファー、否定、直喩、比喩指標、構文化 発表者:岡田純音(谷口研M2) 概要:否定形式を用いたメタファー表現の先行研究では、比喩的解釈が発生するメカニズム、比喩的解釈を喚起しうる否定形式、談話における機能など、様々な側面について分析が行われてきた。本研究ではこの中でも形式面に着目し、現代日本語のコピュラの否定文に「から」や「けど」が加わった表現が、メタファーの形式として構文化していることを検証する。分析では、先行研究における、(ⅰ)否定辞を比喩指標としてとらえて否定形式を用いたメタファー表現を直喩の一種とする観点、(ⅱ)直喩を修辞的比較としてとらえて直喩の修辞性には段階性があるという観点を踏まえたうえで、コーパスを用いて量的調査を実施した。
6月5日(木)フォーラム
タイトル:関係名詞の比喩的使用における文法的特徴―「右腕」のコーパス調査を通して― キーワード:メタファー、メトニミー、関係名詞、種別名詞、A/D配置 発表者:角出 凱紀(谷口研D3) 概要:本研究では、メタファーが依存的述定 (dependent predication) に適用され、メトニミーが自律的述定 (autonomous predication) に適用されるというCroft (1993) の指摘をもとに、関係名詞「右腕」の比喩的用法における文法的な振る舞いについて仮説を立て、コーパス調査によってその検証を行う。調査の結果、「右腕」がメタファー的に使用される際には非メタファー的用法と比べてその項を明示しやすい傾向にある一方で、メトニミー的用法に特有の文法的特徴らしきものは確認されなかった。
京都言語学コロキアム(KLC)
日時:6月7日(土)13:00〜 場所:総合人間学部棟 1107号室およびZoom (参加を希望される方は taniguchi.info@gmail.com までご連絡下さい) 発表者:佐川寛知 先生(神戸大学) タイトル:「それって本当に彼が言ったことなの?」:引用表現研究における〈意図〉と〈公共性〉の再検討 キーワード:引用表現、公共性、多値論理、意図性 概要:通常、発話された文が示す事態は、発話者の認識を反映したものとして理解される。例えば、「俺はイギリス共和国連邦の天皇だぞ」と発話すれば、この文の示す事態を当該発話者が抱いたものとして理解される。しかし、引用表現の典型例である「引用文」は、文全体の発話者である引用者の事態認識が被引用者の事態認識を内包した入れ子構造をとる。例えば、引用文「俺はイギリス共和国連邦の天皇だぞって太郎が言ってた」は、主節〈太郎が―言った〉によって引用者の認識を示し、同時に引用節〈俺はイギリス共和国連邦の天皇だぞ〉によって被引用者の認識をも示す。また、引用節は主節の真偽値とは別に独自の真偽値をもつ。このように、引用文は通常の文よりも複雑であり、意味や表現 […]
5月22日(木)フォーラム
タイトル:ドイツ語の非標準的所有表現に関する認知言語学的考察の試み キーワード:与格、所有表現、所有者繰上げ、小節(small clause) 発表者:赤木 祐美子(谷口研 研究生) 概要:現在執筆中の論文は、ドイツ語で標準的ではないが使用が好まれている所有表現「dem Vater sein Hut(=the father his hat、父の帽子)」のような表現について、その構造についての分析を行うものである。今回は、ドイツ語の与格の特徴について述べた後に、修士論文で行った統語論による分析について説明を行う。そして今後進めたい認知言語学的観点からの分析については、参照点構造で考えるとうまく説明ができそうだと考えてはいるものの、現状行き詰まっているため、この機会にみなさまからのアドバイスを頂戴したい。
5月15日(木)フォーラム
日時:5月15日(木)13:00〜 場所:総合人間学部棟 1107号室およびZoom タイトル:二重の他者指向性を持つ発話と聞き手行動―文脈、響鳴、スタンスの視点から― キーワード:外部指向性、オープンコミュニケーション、聞き手行動、響鳴、スタンス 発表者:福田 千紘(谷口研 M1) 概要:本発表では、料理番組をはじめとする対話型の情報提供コンテンツを、複数の話者が第三者に何かを共同で説明する日常的な場面の延長線上に位置づけ、オープンコミュニケーションと日常会話の両面から「聞き手行動」の分析を行う。具体的には、説明を促す「知っている聞き手」の確認要求が、話し手から二重の他者指向性を持つ発話を引き出し、話し手・聞き手と第三者の社会認知的連関を構築する仕組みをDu Bois(2014)の対話統語論を用いて明らかにする。これにより、響鳴を通じて会話の展開や方向付けに積極的な役割を果たし、スタンスの調整によって単なる情報のやりとりを超えた社会的な関係性の構築や維持に貢献している「聞き手行動」の多層性を示すとともに、オープンコミュニケーションと日常会話の研究の接点を切り開くことを試みる。
学会のご案内
◆ 学会のご案内 表現学会:第62回全国大会(2025年6月7日(土)~ 8日(日)、岐阜大学柳戸キャンパス)※要申し込み ●「表現学会」公式サイトはこちら https://hyogen-gakkai-official.org/ ——————– ※詳細は上記サイトの「全国大会」のページをご確認ください。 期日:2025年6月7日(土)~ 8日(日)〔研究発表は、8日(日)〕 会場:岐阜大学(柳戸キャンパス) どなたでも参加できます(無料)。 参加される場合は、「表現学会」公式サイトの「全国大会」ページにある「大会申し込みフォーム」で申し込みを行ってください(2025年5月29日(木)まで)。 また、「全国大会」ページ内の「大会プログラム(PDF)」には、シンポジウム・研究発表の発表要旨の掲載もございます。 第1日(6月7日(土)) ◇公開講演(13:10~14:20) 「節用集」の近現代表現史 岐阜大学 佐藤 貴裕 ◇シンポジウム(14:30~17:00) テーマ:国語教育・日本語教育における作文と表現 […]