日時:4月19日(木)13:00~
場所:総合人間学部棟 1107号室
・第一発表
発表者:緒方悠介 (谷口研究室 M1)
タイトル:「日常会話における関西地方の方言「知らんけど」のもつ意味・役割」
キーワード:語用論,主体化,談話標識,会話の協調規則,
備考:関西地方における方言のひとつとして、発話末に現れる「知らんけど」という表現が存在する。この表現の一部である接続詞「ケド」の機能の変遷を主体化(Langacker 1999)を用いて分析したり、談話標識(Schiffrin 1987)、会話の協調規則(Grice 1975)といった考え方を援用したりすることで、談話においてこの「知らんけど」表現が果たす機能や、使用される場面・文脈の条件などについて捉えようとした。
(卒業論文をもとにした発表です。)
・第二発表
発表者:岡久 太郎 (谷口研究室 D3)
タイトル:「状況に依存した構文使用: 教育が言語知識に与える影響を考慮して」
キーワード:使用基盤モデル, 構文産出, 国語教育
備考:本発表では、小学校2〜5年の児童の作文を分析し、学年ごとに使用されやすい構文の種類が異なることを示し、その差は言語発達の度合いだけではなく、国語教育における指導にも関係している可能性があることを指摘する。先行研究においては、使用基盤モデルに立脚し、個々人の教育におけるインプットの差が特定の構文理解の正確さや速さに影響を与えることが示されているが、これらの研究では、高水準の教育を受けたか否かという観点から個々人を分類している。そこで、本研究では、同一の教育課程における学年の差に着目することで、より詳細に言語教育が個人に与える影響を考えることを目指す。