ようこそ、京都大学大学院 人間・環境学研究科 認知言語学系研究室へ。

当研究室では、「言語は人間の身体化された認知能力と運用能力に深く根差した存在である」という認知言語学的な視点から、言葉と言葉の背後に存在する認知のメカニズムの解明を目指しています。

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○ お問い合わせについて:
平時、研究室の運営のために用いておりますメールアドレス  taniguchi.info_at_gmail.com (_at_ → @)  へ宛てられたものは、世話係および渉外係を担当する当研究室の院生が閲覧・対応しております。
教員(谷口一美教授)との直接のコンタクトを希望される方は、人間・環境学研究科のホームページ記載の 教員紹介ページ をご参照ください。

今後の予定

9月11日(木)自主ゼミ

日時:9月11日(木)13:00〜
場所:総合人間学部棟 1107号室およびZoom
タイトル:ロシア語の3人称複数非人称構文にみられる被動作主志向性について
発表者:谷浦淳也(谷口研M2)
※XXIX Annual Scientific Conference of the Association of Slavists POLYSLAV の発表に向けた練習を行います。

京都言語コロキアム(KLC)

日時:8月9日(土)13:00〜15:00
場所:Zoomによるオンライン開催
(参加を希望される方は taniguchi.info@gmail.com までご連絡下さい)
発表者:貝森有祐 先生(流通経済大学)
タイトル:英語使役移動構文における参与者の言語化パターンとその制約:〈移動体〉と〈被動者〉に注目して
キーワード:使役移動構文、移動体、被動者、事象統合、構文強制
概要:本発表では、状態変化を表す英語使役移動構文における〈移動体(theme)〉と〈被動者(patient)〉の言語化パターンを記述・整理し、それぞれのパターンに見られる意味的特徴について検討する。当該構文には、目的語名詞句が〈移動体〉の役割を担うパターン(例:I emptied water out of the tank.)と〈被動者〉の役割を担うパターン(例:I emptied the tank into the sink.)が観察される。本発表ではこれらを、それぞれ〈移動体〉目的語型、〈被動者〉目的語型として区別・整理する。次に、双方のパターンに共通する制約として、〈移動体〉と〈被動者〉の両方が、明示的に言語化されていなくとも、何らかの形で理解可能でなければならないことを示す。さらに、両パターンの間には意味的特徴の違いが存在することを示し、そのような違いは構文強制の強弱によって捉えられること、つまり〈移動体〉目的語型では構文強制の力が比較的強く、〈被動者〉目的語型では比較的弱いことを論じる。

7月31日(木)自主ゼミ

日時:7月31日(木)13:00〜
場所:総合人間学部棟 1107号室およびZoom
タイトル:日本語における否定形式を用いたメタファー表現の構文について
キーワード:否定、メタファー、構文化
発表者:岡田純音(谷口研M2)
概要:本発表では、現代日本語のコピュラの否定文に「けど」や「から」が加わった表現が、比喩的解釈を喚起する形式として構文化していること、およびその動機づけについて検討する。方法として、これまでの比喩研究や語用論における議論を踏まえて、コーパスを用いた量的調査、ブレンディング理論に基づく肯定と否定のメタファー表現の分析、事態認知モデルに基づく「けど/から」の機能の分析を行う。

7月24日(木)フォーラム

日時:7月24日(木)13:00〜
場所:総合人間学部棟 1107号室およびZoom
タイトル:装丁におけるハッシュタグ表現の用法・効果(仮)
キーワード:ハッシュタグ、引用、暗示引用
発表者:山崎由佳(谷口研D3)
概要:本発表では、オフラインの場でのハッシュタグ表現の分析を行う。特に、タイトルに「#」を含む書籍の書影画像へのタグ付け等を通して、ハッシュタグ表現と共起する特徴を調べる。具体的には「SNSで既に使われているタグを用いる」「表紙にSNS関係の言葉を含む」「既存のSNSのデザインを模倣する」「電子機器(スマートフォン等)の画像を含む」「書籍の内容においてSNSが重要な役割を果たす」といったタイプがあることを示し、引用・暗示引用の観点から当該表現の効果を論じる

7月10日(木)フォーラム

日時:7月10日(木)13:00〜
場所:総合人間学部棟 1107号室およびZoom
タイトル:X is more Adj than Y PP 構文の構文文法アプローチ
キーワード:比較構文、形容詞、省略
発表者:樫本拳斗(谷口研D1)
概要:本発表では以下のような一種の比較構文を分析対象とする。

(1) a. 文脈:Dumbledore (me) は,Voldemort との関係を Harry に語るには十二歳も十一歳と変わらず幼すぎると思い,真実を伝えるのをためらった。
“Well, it seemed to me that twelve was, after all, hardly better than eleven to receive such information.
(Harry Potter and the Order of Phoenix ; 下線は発表者による(以下同様))

b. 文脈:Harry が使う「半純血のプリンス」の教科書を巡り,役立つ反面危険性を疑うHermione と対立。Ron (he) は Harry を擁護し,Hermione が Prince を嫌うのは魔法薬の腕が彼に劣るからだと指摘する。
“That was different,” he said robustly. “They were abusing it. Harry and his dad were just having a laugh. You don’t like the Prince, Hermione,” he added, pointing a sausage at her sternly, “because he’s better than you at Potions —”
(Harry Potter and the Half-Blood Prince)

(1a, b) は一見すると普通の比較構文の思われる。しかし,比較構文で使用される than 以下の構造で言及されているような「省略」や「削除」といった分析では不十分な点がある。

(i) than 以下の構造は主節で示されている要素を省略・削除が適応されたものと考えられている。しかし,分析対象は形容詞とその補部要素との間に比較対象 than Y が生起しているため,省略・削除分析は適応できない。

(ii) than 以下に生起する構造が節ではなく,単一の要素である場合は句比較と呼ばれthan は前置詞の一種として分析が成される。しかし,分析対象は形容詞とその補部の間にthan 句が生起する。than 句以外の前置詞が形容詞とその補部の間に生起する文構造は非文法的であるためアドホックな記述となってしまう。

以上の点を踏まえ,省略・削除といった変形操作を仮定せず,< X is more Adj than Y PP> という形式が持つ意味・機能をコーパス分析を通して構文文法の観点から分析を行う。本発表ではケーススタディとして 分析対象 <better than Y at doing/ NP> と比較構文 <better at doing/ NP than Y> に生起する要素の違いから分析対象に固有な意味・機能の考察を行う。

7月3日(木)フォーラム

日時:7月3日(木)13:00〜
場所:総合人間学部棟 1107号室およびZoom
タイトル:換喩と属格構文を動機づける参照点構造の多層性
キーワード:換喩、参照点構造、際立ち
発表者:冨岡侑央(谷口研D3)
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