5月23日 フォーラム
日時:5月23日(木)13:00〜
場所:総合人間学部棟 1107 号室および Zoom
(参加を希望される方は taniguchi.info_at_gmail.com までご連絡下さい (_at_→@) )
タイトル:視覚動詞から考察する身体部位所有者上昇構文に生起可能な動詞の制約について
発表者:樫本 拳斗(谷口研 M2)
キーワード:視覚動詞、身体部位所有者上昇構文、事象構造表示、事象アスペクト
要約:本発表では以下に示す表現、身体部位所有者上昇構文(body part possesor arcencation construction, 以下部位構文とする) を扱う。
(1) Alice {touched/slapped/hit/looked} Bill {on/in/around} the {face/back/head/eye}.
従来のこの表現の分析は動詞や前置詞など構成素の分析に留まり、項構造や事象の分析が十分になされなかった為に以下のような課題を残していた。
(2)構文に生起できる動詞の意味を物理的接触に依拠しているため視覚動詞などの例外を認めなければならなくなっている。
この問題を解決する為、事象構造表示(Event Structure Representation, Croft 2019)を用いて、部位構文が表す事象パターンを項構造、及び動詞と項構造のマッピングの観点から考察する。
本発表では部位構文が表すパターンのうち「意思伝達のための行為」である場合を分析する。項構造が表す下位事象を考察することを通して、生起できる動詞の制約を「Agentに意図性(Intend)を持つ要素を要求する様態動詞(manner verbs)」であることを主張する。