11月28日 フォーラム

日時:11月28日(木)13:00〜
場所:総合人間学部棟 1107号室およびZoom
(参加を希望される方は taniguchi.info_at_gmail.com までご連絡下さい (_at_→@) )
タイトル:構文文法と語彙意味論の統合について考える -look in somebody’s eye / look somebody in the eyeとの比較を通して-
発表者:樫本拳斗(谷口研M2)
概要:ある構文が認可される(表現として文法的である・使用される)条件を探るうえで,下位レベルの表現を分析することの重要性について論じられてきた (cf. Iwata 2006, Iwata 2008, Iwata 2020, 岩田 2021)。本発表では,「ある要素が当該の構文に生起可能な要因は下位レベルの表現を分析することで明らかになる」という主張の妥当性をより強化することを主な目的とする。語彙規則を仮定するアプローチ では派生を仮定している。派生を仮定する場合,「何を基本形とするのか」,「派生した結果,動詞が選択していない項が生起するのはなぜか」という問題が生じる。構文アプローチでは,動詞の意味的・統語的特徴は構文と融合することで,動詞が選択されない項が当該の表現の中で生起したり,統語的特性が変化するとしている (Goldberg 1995: 52-56) が,語の特性について詳細に分析しなければ過剰一般化問題が生じる原因となる。これらの問題を解決するため,語の特徴を分析する語彙意味論と,ある表現に関する知識について段階的な抽象度で分析する構文アプローチを統合することで,「ある表現が認可される条件」を詳細に検討できると考える。本発表では,上記の枠組みを用いて,S look somebody in the eye という表現を分析対象とする。具体的には,Levin, Rapport Hovavらによる動詞の2分類「様態動詞・結果動詞」,及び項構造構文が表す事象の因果連鎖の観点から分析を行う。そして,S look somebody in the eye という表現は,S {touch/pat/slap} somebody {in/on} the Body-Part. のスキーマ的意味である「ある行為を手段として意図伝達を目的とする 」という意味と合致することを主張する。
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