京都言語学コロキアム(KLC)

日時:12月7日(土)13:00〜15:00
場所:総合人間学部棟 1107 号室および Zoom
(参加を希望される方は taniguchi.info@gmail.com までご連絡下さい)
発表者: 大田垣仁 先生(近畿大学)
タイトル:コア・モデル比較からみる名詞句に生じる換喩《metonymy》の基礎づけ
キーワード:コネクター、指示の転換と連想
概要:本発表では、名詞句に生じる換喩(メトニミー、metonymy)の成立メカニズムを明らかにするため、先行研究からコア・モデルを抽出し、それらを分析する。コア・モデルとは、問題となる現象について根幹的な説明を与える理論的な枠組みである。Langackerのアクティブゾーンや参照点構造モデル、Croftのドメインモデルといった広く知られた理論に加え、近年のコア・モデルの特徴や「トレンド」についても紹介する。

抽出したモデル間の共通点およびモデル固有の特性を概観し、近年の分析がドメインやフレームの概念を基盤とすることを指摘する。その結果、名詞句レベルにおいて異なる次元の隣接性認知が換喩として取り込まれつつある現状を論じる。

これに対し、本発表ではFauconnierのメンタル・スペース理論を基盤に、名詞句に生じる換喩現象に内在するプリミティブなレベルでの違いを明らかにすることを目指す。この違いは、従来一括されてきたメトニミーの中にも潜在的な差異が存在することを示唆している。
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