京都言語コロキアム(KLC)
日時:8月9日(土)13:00〜15:00
場所:Zoomによるオンライン開催
(参加を希望される方は taniguchi.info@gmail.com までご連絡下さい)
発表者:貝森有祐 先生(流通経済大学)
タイトル:英語使役移動構文における参与者の言語化パターンとその制約:〈移動体〉と〈被動者〉に注目して
キーワード:使役移動構文、移動体、被動者、事象統合、構文強制
概要:本発表では、状態変化を表す英語使役移動構文における〈移動体(theme)〉と〈被動者(patient)〉の言語化パターンを記述・整理し、それぞれのパターンに見られる意味的特徴について検討する。当該構文には、目的語名詞句が〈移動体〉の役割を担うパターン(例:I emptied water out of the tank.)と〈被動者〉の役割を担うパターン(例:I emptied the tank into the sink.)が観察される。本発表ではこれらを、それぞれ〈移動体〉目的語型、〈被動者〉目的語型として区別・整理する。次に、双方のパターンに共通する制約として、〈移動体〉と〈被動者〉の両方が、明示的に言語化されていなくとも、何らかの形で理解可能でなければならないことを示す。さらに、両パターンの間には意味的特徴の違いが存在することを示し、そのような違いは構文強制の強弱によって捉えられること、つまり〈移動体〉目的語型では構文強制の力が比較的強く、〈被動者〉目的語型では比較的弱いことを論じる。