KurodaIppei

黒田一平 (Kuroda, Ippei)

研究内容

若者言葉、新規表現などにみられる言語の創造性を、
音韻論、形態論、語彙論、語用論、文字論といった様々な観点から分析していきたいと考えています。
現在は、文字・書記体系を中心に研究しています。

連絡先

kuroda.ippei.33s[at]gmail.com

経歴

学歴

2011年3月 京都大学 総合人間学部 認知情報学系 卒業
2011年4月 京都大学大学院 人間・環境学研究科 言語科学講座 修士課程入学
2013年3月 京都大学大学院 人間・環境学研究科 言語科学講座 修士課程修了
2013年4月 京都大学大学院 人間・環境学研究科 言語科学講座 博士課程入学
2016年3月 京都大学大学院 人間・環境学研究科 言語科学講座 単位認定退学
2020年3月 京都大学大学院 博士(人間・環境学)学位取得

職歴

2012年6月~2013年3月  都大学大学院 人間・環境学研究科 英語 (CALL) TA
2015年4月~2016年3月  京都大学 国際高等教育院 自習室 (SRR) TA
2015年6月~2016年3月  京都大学大学院 人間・環境学研究科 言語学TA
2015年10月~2017年3月  京都工芸繊維大学 英語RA
2016年4月~2017年3月  長浜バイオ大学 英語 非常勤講師
2016年10月~現在     京都ノートルダム女子大学 英語 非常勤講師
2017年4月~現在       龍谷大学 英語 非常勤講師
2020年4月~現在       京都大学 英語 非常勤講師

研究業績

学位論文

  1. 黒田一平.「インターネットスラングの認知言語学的考察」, 京都大学 総合人間学部 卒業論文, 2011年.
    • ネット上にみられる新規表現(インターネットスラング)を形式的特徴により分類し、それらをヒトの認知能力という観点から考察した。
  2. 黒田一平.「言語の創造性と制約に関する認知語用論的考察―日本語の略語と関連現象を中心に―」, 京都大学大学院 人間・環境学研究科 修士論文, 2013年.
    • 日本語の略語の分類やメトニミー等との関連、略語の語用論的機能等について、認知言語学、認知語用論の立場から考察した。
  3. 黒田一平.「文字言語の創造性に関する認知言語学的研究―認知文字論の構築にむけて―」, 京都大学大学院 人間・環境学研究科 博士論文, 2019年.
    • 六書や英語の綴り、当て字とルビ、括弧やキラキラネーム、ネットスラング等の文字・表記が関わる多様な現象を、認知言語学的枠組みによって記述・分析した。

研究論文

  1. 黒田一平.「若者言葉における略語―渋谷語(ギャル語)を中心に―」, 日本語用論学会第15回大発表論文集, pp. 293–296, 2013年.
  2. 黒田一平.「認知言語学に基づく拡張記号モデルの提唱―ネットワーク・モデルを用いた文字論へのアプローチ―」, 言語科学論集19, pp. 1–25, 2013年.
    • 修士論文で提唱した「拡張記号モデル」をもとに、理論言語学において文字に関する現象を分析する意義と方法論について述べ、具体的な言語現象の分析を行った。
  3. 黒田一平.「換喩と略語の連続性―文字・音声・意味の三項関係から―」, 関西言語学会第38回大会表論文集, pp. 97–108, 2014年.
  4. 黒田一平.「拡張記号モデルに基づく漢字の合成構造の記号論的分析」, 認知言語学論考12, pp. 1–44, 2015年.
    • 六書の会意、形声や、創作漢字、当て字とルビなどの事例を、文字の合成構造という観点から分析した。
  5. 黒田一平.「重複型会意文字の意味分類―認知文字論の観点から―」, 日本認知言語学会論文集第15巻, pp. 567–572, 2015年.
  6. 黒田一平.「文章理解のメカニズムの解明にむけて―括弧の曖昧性はどのように解消されるか―」, 日本語用論学会第17回大発表論文集, pp. 49–56, 2015年.
  7. 黒田一平.「メタ言語表現としてのルビの分析―精緻化および概念融合理論の観点から―」, 日本認知言語学会論文集第16巻, pp. 474–479, 2016年.
  8. 黒田一平.「書記体系と文法化」, 日本認知言語学会論文集第18巻, pp. 319–331, 2018年.
  9. 西村綾夏・黒田一平.「書き言葉の感情表現―インターネットスラングに見られる『笑い』―」, 日本語用論学会第20回大発表論文集, pp. 323–326, 2018年.

学会発表

  1. 黒田一平.「若者言葉における略語―渋谷語(略語)を中心に―」, 日本語用論学会第15回年次大会, ワークショップ「若者ことばに見られる語用論的特徴」, 大阪学院大学, 2012年12月.
    • 若者言葉の一種である「渋谷語」の略語を、語用論的特徴(使用動機・表現効果)を、経済性、閉鎖性、緊密性、娯楽性、婉曲性という五つの観点から分析した。
  2. 黒田一平.「換喩と略語の連続性―文字・音声・意味の三項関係から―」, 関西言語学会第38回年次大会, 同志社大学, 2013年6月.
    • 換喩と略語の連続性(カテゴリーの重複関係)を、文字・音声・意味のそれぞれにおける近接性(部分・全体関係)という観点から示した。
  3. 黒田一平.「重複型会意文字の意味分類―認知文字論の観点から―」, 日本認知言語学会第15回年次大会, 慶應義塾大学日吉キャンパス, 2014年9月.
    • 「林」や「炎」のような重複型会意文字を、構成要素と漢字全体との間にどのような関係がみられるかという観点から分類した。
  4. 黒田一平.「文章理解のメカニズムの解明にむけて―括弧の曖昧性はどのように解消されるか―」, 日本語用論学会第17回年次大会, 京都ノートルダム女子大学, 2014年11月.
    • 日本語の括弧表現をメンタル・スペース理論と認知領域 (cognitive domain) を用いて分析し、括弧内外の要素が概念構造のどこに位置付けられるかという観点から、括弧表現の理解のメカニズムを考察した。
  5. 黒田一平.「メタ言語表現としてのルビの分析―精緻化および概念融合理論の観点から―」, 日本認知言語学会第16回年次大会, 同志社大学今出川キャンパス, 2015年9月.
    • ルビを、表記に対して情報を付与するメタ言語表現として捉え、振り仮名としての用法を含むルビの多様な用法が、認知言語学の精緻化と概念融合の理論を用いて体系的・統一的に記述・分析可能であることを示した。
  6. 黒田一平.「書記体系と文法化」, 日本認知言語学会第18回年次大会, 大阪大学豊中キャンパス, 2017年9月.
    • 書記体系の成立や発展において、文法化と共通する一方向的な変化がみられることを、漢字やヒエログリフ、楔形文字などの書記体系の成立期、および現代のネット上の新規表現の例から示した。
  7. 西村綾夏・黒田一平.「書き言葉の感情表現―インターネットスラングに見られる『笑い』―」, 日本語用論学会第20回年次大会, ワークショップ「新規表現の語⽤論に対する多角的アプローチ」, 京都工芸繊維大学松ヶ崎キャンパス, 2017年12月.
    • インターネット上で見られる各種の「笑い」を表す表現について、その用法を先行研究をもとに「談話促進」「緊張緩和」「会話継続」の三つに分類した。

著書(分担執筆)

  1. 中野弘三・服部義弘・小野隆啓・西原哲雄(監修).『簡略英語学・言語学用語辞典』東京: 開拓社. 2015年11月.
    • 「9 認知言語学」の章のうち、pp. 326–328 の16項目 (instantiate から mental space まで) を担当。
  2. 畠山雄二(編集).『最新理論言語学用語事典』東京: 朝倉書店. 2017年8月.
    • 第1章「認知言語学」のうち、pp. 2–9 の4項目 (「スキーマ」から「ブレンディング」まで) を担当。
  3. 池上嘉彦・山梨正明(編集).『講座 言語研究の革新と継承5 認知言語学Ⅱ』東京: ひつじ書房. 2020年3月.
    • 第5章「文法化」pp. 87–113 を担当。

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