8月10日 自主ゼミ
日時:8月10日(木)13:00〜
場所:総合人間学部棟 1107号室およびZoom
(参加を希望される方はtaniguchi.info_at_gmail.com までご連絡下さい (_at_→@) )
タイトル:内項制約の機能主義的考察: その②
発表者:近 大志 (谷口研 D3)
キーワード:内項制約,名付けの価値,[N+VN] 型複合語,[N+N] 型複合語
概要:複合語における左側要素の外項解釈を禁ずる,いわゆる内項制約 (影山 1993) を認知言語学が扱う場合,①内項・外項の意味的特徴 ②左側要素が行為者相当の解釈を取らない理由の2点を明らかにする必要がある。② に対する別のアプローチとして,本発表は [名詞+動詞要素] からなる複合語を名付け (Downing 1977, Štekauer 1998, 2012) の観点から議論する。まず,複合語を用いた名付けには「他と比較して情報度の向上に貢献しない要素を用いるな」という機能的制約が伴うことを主張する。次に,この機能的圧力が外項解釈を妨げる原因となることを提案し,② の解決に取り組む。そして,このような制約の存在がもたらす理論的含意を認知言語学の枠組みに準拠した [N+VN] 型複合語 (野田 2011)、および [N+N] 型複合語 (Heyvaert2011; Ryder 1994; 中馬2012) の研究との関連から述べる。