26: 2020-05-21 (Thu) 21:00:33 tchika source 27: 2020-06-13 (Sat) 06:18:26 tchika source
Line 12: Line 12:
''2020年 4月'' 京都大学大学院 人間・環境学研究科 言語科学講座 博士課程進学~ ''2020年 4月'' 京都大学大学院 人間・環境学研究科 言語科学講座 博士課程進学~
- 
- 
- 
-*職歴 [#b29c0f6e] 
-''2018年10月~ 2020年2月'' 京都大学 人間・環境学研究科 ティーチング・アシスタント 
- 
-''2019年4月~ 2020年3月'' 京都大学 吉田南総合図書館 オフィス・アシスタント 
- 
-''2020年4月~ 2020年8月'' 摂南大学 非常勤講師 (理工学部都市環境工学科 実践英語初級) 
- 
-*研究内容 [#b29c0f6e] 
-【研究の関心】~ 
-聞き手による意味解釈のプロセスに最大の関心があり、発話のオンライン処理を志向している関連性理論をベースに、認知言語学の知見を活かした理論構築を目指しています。やや具体的なテーマとして、次のことに関心があります。~ 
-・語と語の組み合わせから得られる解釈のコンテクスト依存性~ 
-・推論に対するインプット (i.e. コード化された意味) の規定~ 
-・認知意味論 (概念ブレンディング理論、フレーム意味論、プロトタイプ意味論) と関連性理論 (語彙語用論) の接点~ 
- 
-【現在取組んでいるもの】~ 
-・一次複合名詞 (NN; 影山 1999) の意味解釈~ 
-・慣習的に用いられる複合表現 (e.g. イディオム、構文) におけるコード化された概念~ 
- 
-【これまでの研究】~ 
-・卒論ではスウェーデン語の動詞 ''övertala'' (英: persuade) の語法研究を行いました。この動詞において最も頻度の高い用法は övertala NP1 att VP (persuade NP1 to VP) です。本研究で行ったことの一つとして、構文 ''övertala NP1 NP2'' の記述があります (övertala NP1 NP2は概略「NP1にNP2に関する事象を行うように説得する」という解釈が得られます) 。コーパス調査の結果、NP2に入る名詞は事象を表す名詞だけでなく、モノを表す名詞も大いに含まれることが判明したことから、NP2がモノを表す場合「それに関する事象」とは何かが問題になると考えました。NP2に関連する事象が文脈によって変動する一方、その幅には一定の制限があるように思われたからです。解決策として、Pustejovsky (1995) の''生成語彙論'' (GLT) を用い、övertalaがNP2に事象読みを強制する、すなわちタイプ強制 (type coersion) を行うとの想定のもと、NP2のクオリア構造を記述しました。 
- 
-・修論では''「文字通り」''という標識の手続的意味に関する考察を行いました。~ 
-「文字通り」の興味深い点は、後続表現の字義的意味を導く用法だけでなく、比喩的な意味を強調する用法・メタ言語的な用法 (e.g.「腰」は文字通り身体の要です) といった、非常に多様な用法が観察されることと、「文字通り+X」のコロケーションではXの解釈を捉えきれない (i.e. 文脈によって、同じXの解釈が変動する) ことに求められます。まず、「文字通り」の機能を規定する方法として (i)すべての用法を独立した機能だと認定し、「文字通り_1」「文字通り_2」... と記述するアプローチ (ii)すべての用法に一貫する要素のみを機能として認定し、各用法は実際の文脈における推論から生じると考えるアプローチ (iii)「文字通り+X」のコロケーションを重視し、「文字通り」自体に機能を押し付けないアプローチ の3つを検討しました。~ 
-本研究では(ii)を選び、''関連性理論'' (Sperber & Wilson 1995) の枠組みのもと、「文字通り」を「『文字』という情報に着目し、後続内容をメタ表示せよ」と聞き手に仕向けるような''手続き的意味'' (Blakemore 2002) として規定しました。そして、簡素な手続き的意味から具体的な用法へ至る推論のステップを関連性理論における発話解釈プロセスによって説明しました。 
-*研究論文 [#b29c0f6e] 
- 
-近 大志. 近刊 「慣習的表現の非慣習的読みに関する考察 ー『文字通りの NP』を例にー」『第22回日本語用論学会発表論文集』 
- 
-*学会発表 [#b29c0f6e] 
-近 大志.「慣習的表現の非慣習的読みに関する考察 ー『文字通りの NP』を例にー」[[発表資料:https://drive.google.com/open?id=1MxeeKy9dXYH1jboVjNJ0h_ytPpFtA6N9]]~ 
-(第22回日本語用論学会. 口頭発表. 京都外国語大学. 2019年11月.) 
- 
-*学位論文 [#b29c0f6e] 
-- 近大志. 2018.「動詞övertalaの意味」卒業論文. 大阪大学 外国語学部外国語学科 
-- 近大志. 2020.「『文字通り』の手続き的意味に関する考察」修士論文. 京都大学大学院 人間・環境学研究科. 
-*研究会等の発表 [#b29c0f6e] 
-- 「語の意義と発話解釈について−good stoneは何がgoodなのか−」(2020年 7月 総人のミカタ *延期) 
-- 「意味解釈における語用論の役割について–『俺か、俺以外だ』を例に–」 (2020年 5月 総人のミカタ *延期) 
-- 「意味論と語用論の連続性」についての検討 –認知言語学における意味論とは、何を扱っている/扱うべきなのか?– (2020年 5月 言語フォーラム) 
--「慣用表現の非慣習的解釈とアドホック概念形成」(2019年 9月 自主ゼミ) 
-- 「『文字通りの』の機能および『文字通りのNP』の解釈方略について」(2019年 5月 フォーラム) 
-- 書評: Glucksberg, Sam (2001) '''Understanding figurative language: From metaphor to idioms'''  (2019年 1月 フォーラム) 
-- 書評: Giora, Rachel (2003) '''On Our Mind:  Salience, context, and figurative language''' (2018年 10月 フォーラム) 
--「動詞'''övertala'''の意味」(2018年 5月 フォーラム) 
-*所属学会[#b29c0f6e] 
-語用論学会 


Front page   Diff Backup Copy Rename Reload   New Page Page list Search Recent changes   Help   RSS of recent changes (RSS 1.0) RSS of recent changes (RSS 2.0) RSS of recent changes (RSS Atom)
Counter: 5784, today: 2, yesterday: 10