1月18日 フォーラム

 

日時:1月18日(木)15:00〜
場所:総合人間学部棟 1107 号室および Zoom

(参加を希望される方は taniguchi.info_at_gmail.com までご連絡下さい (_at_→@) )

 

・第一発表

 

タイトル:スポーツ記事の見出しにみられるメタファーのもつ効果とその機序
発表者:新治 柚季 (谷口研 M2)
キーワード:news headline, conceptual metaphor theory, blending theory, topic-triggered metaphor, context
概要:本研究では、日本プロ野球記事の見出しにみられる比喩表現を事例に、メタファーの実現には記事の本文に書かれた実際の試合内容が影響を及ぼしうることを指摘する。また選択された表現に記事内容──本論文では〈コンテクスト〉と呼ばれる──の含意がどれぐらい付与されているかによって、事例の修辞性に差異があることも主張したい。具体的にいえば、前者にかんして従来の方法をアップデートしたブレンディングモデルによって事例の分析をおこなった。その方法とは、個別的な試合内容を示す〈コンテクスト〉のインプットスペースを試合や勝敗にかんする抽象的な知識構造からなる〈トピック〉を具体化するものとしてそのスペースの内部に配置することである。これにより、ブレンディングに使用されるスペース間の要素について、〈コンテクスト〉が導く限定的な写像関係を丁寧にはかることができる。またその写像関係が何組あるかによって、事例の修辞性に段階的な差のあることが明らかになった。
(例)猛牛、タカ打ち落とす 近鉄7-3ダイエー プロ野球7回戦 (「朝日新聞クロスサーチ」, 2003年5月13日)

 

・第二発表

 

タイトル:述語反復構文の機能に関する考察
発表者:藤原 望織 (谷口研 M2)
キーワード:述語反復構文、スケール、評価、二価志向性
概要:本研究は日本語の述語反復構文の機能を明らかにすることを目的とする。述語反復構文とは同語の反復全体で一つの述語を成す表現のことで、「食べるといえば食べる」や「美味しいことは美味しい」がその一例である。本研究は数ある述語反復構文のうち「XといえばX」「XことはX」「XっちゃX」を分析の対象とする。先行研究では当該の反復語句に関してその程度を下げることを構文の意味として持ち、構文ごとに用法差があることが指摘されている。一方で、それらの指摘に合致しない実例が観察される。そこで、本研究では構文の指定する領域、程度の低さの取り消し可能性、構文の用法差に関して調査を行い、これらをスケールの観点から考察した。それによって、① 述語反復構文はスケールの極大極小を除く中間的範囲を指定する ② 程度に関する尺度含意の取り消し可能性は語句の持つ評価性によって異なる ③ 語句が評価性を持つとき、マイナス評価のヘッジとして機能することが分かった。また構文の用法差について、「XことはX」と「XといえばX」「XっちゃX」を比較すると、前者の方が用法により多くの制約を持つことが分かり、スケールで指定する値をより限定させることが示唆された。

 

※ 公聴会での発表に向けた練習を行います。

 

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